ブラック本丸に来た安定ガチ勢の本望は・・・？ (ページ13)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:240,868 hit

本望１２、真実ページ13

私の言葉を聞いたあと、長い間黙っていた。

その時間もじれったっくて、私から口を開いた。

「宗康は何処に行ったのですか?あの、三日月があるってことは殺されたってのは嘘なんでしょっ!」

私が全て喋り終わったあと、三日月宗近はゆっくり喋りだす。

「あの方の三日月のことまで知っているなら、本当にAなんだろうな...。」

こいつまで私の真名を知っているのか。

神隠しを考えなかったのか？

でもきっとアイツはコイツらを信じてたんだろうなぁ。

「それで、何処に居るのですか？」

私が問うと苦しそうに顔を、歪ませた。

何故？

嫌な予感がする。

「あの方は堕ちてしまい、我等が最後を看取った...。
あの三日月は何故かまだ残っており、あの方が亡くなると紅く染まった。
それからいうもの、月明かりが当たる外では狂うようになり、ブラック本丸となった。」

アイツが堕ちた？

アイツを看取った？

一気に出てきた真実に、混乱してしまう。

「ですがあの三日月は、アイツ...宗康の、三条家の象徴でしょう?だから死と共に象徴も消える。」

三日月宗近は頷く。

「うむ、普通ならばそうだ。しかし消えなかった。これが事実だ。」

「ならばっ....!」

私が、反論しようとすると途中で遮られる。

「しかし...あの方は死んだ。これは確実なんだ...A。」

さっきまでとは違う優しく、切なげな声で私の真名を呼ぶ。

その途端、今まで抑えてきた感情が一気に溢れ出る。

「うっ、ひくっ...ちょっとくらい希望を持たせてくれたって良いじゃないぃ。アイツが本当に居ないのならもうこれ以上は..ふっ、生きていたくない!」

涙で曇る視界にぼんやりと人の影が映る。

そして突如抱きすくめられる。

「っ!?」

「俺とて希望を持ちたい。だが、もう叶わぬ願いだ...ならあの方の形見であるお前を守ろう。」

そう言った三日月宗近の顔には何処か宗康の面影があった。