all season (ページ23)

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❆クリスマスの魔法ページ23

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このクリスマスツリーをいつか、Aと見に来れるんかななんて眺めながら思う。

クリスマスツリーの下、Aが隣におって、一緒に歩けたらどんなに幸せなんだろう。

「きれいだね！」

ってもともと大きい目をクリスマスツリーの明かりでキラキラさせて、こっちを見て幸せそうに笑うんかな。

寒そうに手に自分の息を吹きかけて、温めようとするAが浮かんだ。
鼻を赤くして、寒そうにしてる姿。
その手をさってつかんであっためられたら。

そんなふうに考えて、すぐに頭から消した。

当分そんなことは、外でできるはずがなかった。

Aが望んでるデートだって一回もできてない。

これから先も、いつかがあるかなんてわからなくて。

それ以上のことだって、まだ当分綺麗な左手の薬指には、指輪はめられそうにもなかった。

そのいつかまで、Aが待っててくれるって、どこかで信じて、願ってる。

わがまま…やと思ってるけど、Aなら。

そんなことを思いながら、

( デート、楽しかったな )

っていうメッセージと共に自分が撮った写真を送った。

なんの話かわかんなくて、何言ってんだこいつって思われてもまあ別にいいかなあって。笑
もしも同じこと考えてたら、幸せやけど。

そのとき、クリスマスツリーの光が消えてその場が一気に暗くなった。
スマホを立ち上げてみれば、日が25日になってた。

はよ、帰らんと。
…Aちゃんが待ってる。

そう思って、暗くなったクリスマスツリーに背を向けて、マネージャーさんが待っている車の方に急いだ。

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