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◇ そばにいて 2 ページ11

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目覚めは最悪だった。

最後に、廉くん！って大きな声で叫んだと同時にぱちっと起きた。
うなされていたからか、息が荒くて、何度も息を吸い込んだ。

…廉くん

隣を見ると、綺麗な寝顔が目に入ってホッとする。
大丈夫、廉くんはいる。
遠くに行ったりしない、今は。

その時、ツー…って頬に涙が伝った。
次から次へと溢れてくる。
ずっと泣いてたのかな、頬に手を置くとたくさん濡れた跡があった。

廉くんの顔をじっと見ていたら、廉くんの目に前髪がかかっているのに気が付く。
さらさらの黒髪。
くすぐったいように見えて、どかしてあげようって思って手を伸ばしたけど、さっきの夢の記憶を思い出してしまって、思わず手を引っ込めてしまった。

触れられないわけがないけど、でも、もし触れられなかったら。

あの夢が本当に現実になってしまったら。

私はどうするんだろう。

廉くんと付き合ってるからって全てを知ってるわけじゃない。
廉くんが今何を思ってどう感じてるかなんてわかんない。
廉くんが「別れよう」っていう決断を、もしかしたらもうしているかもしれない。
その瞬間がきてしまったら、私は止めることなんてできない。
「わかった」って頷くしかないんだよ。

そんなことを考えてたら、廉くんの寝顔を見るのがしんどくなって、目を逸らした。
廉くんの足枷にはなりたくない、絶対に。

枕元のスマホに電源をつけると、時刻はまだ日にちはまたいでいなくて、23時のちょっと過ぎくらいだった。
廉くんが疲れたー…って早く帰ってきてすぐに確かお風呂に入ってふたりで、ベッドにダイブしたんだっけ。

目が冴えちゃった。
まだ少ししか寝てないのに、目を閉じても同じ夢を見るんじゃないかって思って寝れなかった。
疲れてる廉くんの睡眠を邪魔しちゃいけないよね。
私は、スマホを持って寝室から出て、リビングのソファに座った。

大好きだけじゃ続かないこともある。
廉くんを好きなだけじゃダメなんだ。
じゃあどうすればいいのって聞かれたらわからない。

廉くんのそばにいたい、見守りたい、応援したい。

それだけなのに。

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