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やっちゃった…。
夢か現実か分からなくなって、目を開けた時に、いつもと違う景色だったからパニックを起こした。
引っ越したことが頭から抜けてた…。
よりにも寄って、臣君が来てる日に…。
岩ちゃんが抱きしめてくれてる。
「岩ちゃん、ごめんね。血がついちゃう…」
岩「そんなの気にすることない。少し落ち着いたね？」
頷く。
岩「手の消毒しないとね。待ってて？」
しばらくして、入って来たのは臣君だった。
臣「近くに行ってもいい？」
恥ずかしい姿を見られて、返事ができない。
黙っている私に向き合うように臣君は座った。
臣「……手、見せて？」
私の両手を優しく持つ臣君。
「…あんな恥ずかしい所、見せたくなかったな…。」
臣「………ちょっと、しみるよ？」
私の言葉には返事をしないで傷の消毒をしてくれる。
傷は全部浅かった。
消毒をして、所々にカットバンを貼ってくれる。
その間はお互い無言だった。
傷の手当てが終わると、臣君が口を開いた。
臣「A、１つだけ、俺のお願い聞いて？」
私は黙って臣君の言葉を待つ。
臣「これから…淋しい時は淋しいって言って。不安な時は不安だって言って。その時、もしかしたらすぐにお前の側に来てやれないかもしれないけれど、でも、Aが、1人でその想いを抱えているのは耐えられない。Aが淋しい時は一緒に『淋しいね、会いたいね。』って言い合いたい。その時、例え一緒にいられなくても、一緒の気持ちでいさせて欲しい。」
涙がポロポロ出た。
私が一番欲しかった言葉をこの人は言ってくれた。
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作者名：まる
| 作成日時：2017年12月26日 22時
