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臣side
橋下さんは「とりあえず、僕がAの様子を見てます。皆さんはこのままここで待っていてください。ちょっと…目立ちますから(笑)何かあればすぐにお知らせしますから。」
と言って、部屋を出て行った。
静まり返る室内。
直人「その時の記憶は無かったはずなのに…。どこかで残ってたのかな。そう言えば、俺らが参ってた時、その恩師の話、してたもんな…」
直己さんが静かに頷く。
隆「…俺が熱出した時も、誰かを大切にしたければ、まず自分を大切にしてねって言われました。」
岩「…俺の時も…。きっと無意識に自分のことに重ねたんだ…。自分みたいになる前に、食い止めてくれた…。」
時間だけが過ぎていく。
空が明るくなってきた頃、HIROさんが入ってきた。
HIRO「遅くなってすまん。マネージャーから話は聞いた。」
HIROさんが来てくれた安心感でメンバー皆ほっとした表情になる。
HIROさんが俺の向かいに座った。
HIRO「……俺は、Aは必ず目覚めるって思ってるから、今後の話をするよ?」
無言で頷く。
HIRO「今、橋下さんと話して来た。とても紳士的な方だったよ。状況が状況でも、怒鳴られて仕方ない状態なのに。」
「………はい。」
HIRO「これ以上Aに無理をさせたくないから離婚すると言っている。」
「………。」
HIRO「でも、Aには子供がいる。そう簡単なことではないことは…分かるよな?」
「……勿論です。」
HIRO「焦らない自信はあるか?そのことで…それ以外のことでも…Aを追い詰めない自信はあるか?Aはこれで2度も命を狙われている。犯人はまだ捕まっていない。これ以上の負担をAにかけるわけにはいかない…。もし、ほんの少しでも、自信がないなら………」
HIROさんは、まっすぐ俺を見つめて、厳しい表情で言い切った。
「Aのことは諦めろ。お前をすぐにこのまま連れて帰る。」
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作者名:まる | 作成日時:2017年12月22日 15時