愛してるって言えるのは…5 (ページ26)

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夜、夕ご飯の時間になってコンコンってノック音。

はーい、返事をすると臣くんが入って来た。

嬉しくて顔が緩む。

臣「あ、飯食ってた？」

キャップを外して、髪の毛をかきあげながらこっちに歩いて来る。

その仕草を見るだけで格好良くてドキドキする。

久しぶりに会ってから、ずっと私の心臓はこんな感じ(笑)

「うん。でももう終わったところ。」

「そう…」と言って、ベットサイドの椅子に座り、私の食器の中を見て困った顔になった。

臣「全然食べてないじゃん。」

「あー…。なんか点滴ばっかりしてたら胃が小さくなったのかな。あんまり入らなくって。」

臣「食べたいものあったら言って。明日、買ってくるよ。」

「…うん。考えとく。あ、臣君ご飯食べた？私、これ全然手付けてないから、臣君食べる？さすがは芸能人御用達の病院、美味しいんだよ。」

「だったら、Aがちゃんと食べてよ(笑)」そう言うと、急に真面目な顔になった。

臣「今日、隆二と岩ちゃん来たでしょ？」

「あ、うん。リハビリしてる時…」と言いながら昼間のあの3人の何とも言えない雰囲気を思い出す。あれは…何だったのか(苦笑)

臣「リハビリの担当ってどんな感じ？」

いきなりリハビリの内容じゃなくて担当のことを聞く臣君。

「どんなって……うーーん、一言で言うと爽やかイケメン？？あと…笑い上戸？」

突然聞かれて、鈴木さんを思い浮かべてそのまんまの感想を口にする。

「…ふーん。」臣君が不機嫌そうな顔になって「飲み物買ってくる」って行っちゃいそうになって慌ててコートを掴んだ。

臣「え？」

「え？」

自分でもびっくり。

臣君は今度は嬉しそうに笑った。

臣「何？寂しくなった？」

「…うん。」自分でも驚く位素直な一言が出る。

聞いた臣君が1番驚いてるけど。

臣「……俺、今日は泊まってくわ。」

「…うん。」無理させてるのに、嬉しさが勝っちゃって掴んでるコートをぎゅーっと握った。