愛してるって言えるのは…3 (ページ37)

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隆二side

その時、ドアのところで

「ゴホン…」

って、咳払いが聞こえてた。

振り向くと、臣が苦笑いして立ってる。

臣「歌で抜け駆けなんて最強だな隆二(笑)」

そう言ってくれたから

「そりゃー、こんだけ手強い女を落としにかかるんなら1番の武器使うでしょ。」って話を合わせた。

君はクスクス笑ってる。

臣「そうなんだよなー。手強いんだよな。」

って、言いながら、2本立っているスタンドマイクの片方に立った。

臣「この手強い人は、2人がかりじゃねーと落ちないよ？」

ニヤッとこっちを見る。

あぁ…なるほどね。

同じくニヤッと笑って、俺も再びマイクの前に立つ。

ぽかんとしている君に臣が言った。

「『2人の声が大好き』なんだろ？」

臣が言い終わった瞬間、俺が歌い始めた。

意味が分かったAは、頷いて、泣きながら静かに俺たちの歌を聴いていた。

歌い終わって、俺はAには聞こえない声で言った。

「臣、ありがとう。」

臣「なんのことだか。」

分かってるくせに(笑)

こんな形で、Aに気持ちを伝えたことを許してくれてありがとう。