愛してるって言えるのは…3 (ページ28)

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臣side

Aに抱きしめられた。

胸がぎゅーっとなる。

あぁ、心臓じゃなくて…心ってここにあるんだな…そんな風に思った。

このまま、部屋に入って、キスして抱きたい、頭がおかしくなりそうだ。

抱きしめ返したい両手をぎゅっと握って我慢する。
今抱きしめ返したら、自分を止められない自信があった。

それに気づいたように、すっと俺から離れたA。

A「臣君、我儘言っていい？」

黙って頷いた。

A「海に行きたい。」

ーーーーーー

少しだけ待っていると、Aが後部座席にするりと乗り込んだ。

ルームミラーで時々表情を確認するけど、幸せそうな顔をしてる。

できるだけ、誰の目も気にしない場所へ…

行き詰まった時に時々来ていた海岸に連れて来た。

時間も遅かったし、夜にはぐっと寒くなる平日のこの時期の海岸には人はいなかった。

月がすごく綺麗で海に反射している。

月明かりでAの表情がはっきり見えた。

車に積んであった毛布に俺がくるまった後にそのまま後ろからAを包み込む。

2人ですっぽり毛布に入って、海を見る。

A「あったかい…。安心する…。」

………沢山、沢山、安心させてやりたい。

………俺が、君を守る。