愛してるって言えるのは…3 (ページ3)

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臣君を困らせる質問ばかりをしちゃう。

ダメだ、少し冷静にならないと。

どうにもならない気持ちを臣君にぶつけようとしてる。

自分勝手なことしてる。

建物の中に入ろうとした時、手を引かれてグッと抱きしめられた。

何度も無理やりしている気持ちの蓋がまた開きそうに……壊れそうになる…。

臣君の香水に包まれる私。

途端に思考回路がストップする。

「私、この匂い好き。臣君の香水…。」

そう言って胸の中で顔を上げた。

臣「ん」

私のことを愛おしそうに見てくれてる。

唇が重なりそうになって………

我に返った……。

両手で臣君の胸を向こう側に押し付ける。

なんで？って顔でこっちを見てる。

「私じゃないから。臣君が見てるのは、私じゃない。私も私じゃない。」

気持ちの蓋が……壊れた……。

涙が出てきた。

どうしよう。

たまらなくこの人のことが好きだ。

分かってた。

最初から。

こんな風に大好きになるって。

絶対に許されない想い。

私には帰る場所があって、待ってる人がいるから。

そして、それを彼は知らない。

再び抱き寄せられる。

「泣かないで」ってぎゅっと、さっきより強く。

ねぇ、本当の私を知っても、同じようにしてくれるかな？

私がレオナちゃんじゃないって言っても…同じように愛してるって言ってくれる？

…私には、待ってる人がいるって分かっても…？

………百歩譲って本当の私を愛してくれたとして…

私は彼を騙したことになる…罪深いこと、こんな綺麗な瞳の人に…させられない。

どっちにしても、私と彼の気持ちが交わることは決してないんだ…。