愛してるって言えるのは…3 (ページ20)

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さやside

私の言葉に全員の視線が集まった。

Aさんが元の場所に帰れないのは…漠然とあのことが関係していると思った…。

私の表情から、私がこれから言おうとしていることがとても深刻だと言うことが伝わり、HIROさんが険しい表情をした。

HIRO「話して。」

さや「Aさんがこっちで目を覚ます前の出来事です……。」

室内がシーンとしている。

さや「さっき…交通事故にあったって言ってましたよね…？……正確に言うと…事故じゃないんです……Aさん言ってました『車が来ているのを分かっていて、誰かが自分を押した』って。」

健「………うそやろ…」

さや「そして…その誰かに押されて自分が車にひかれた瞬間を、上の娘さんが見ていたって……」

エリーが思わず目をつぶる。

さや「それだけじゃないんです…。『自分を押した人の口元だけ記憶にある。その人、私を押した後、ニヤって笑ったの。』って」

直己「………死ぬかもしれないのに笑った？…」

さや「……はい。ただ、そこから先が思い出せないみたいなんです。多分男の人だって言ってたけど、顔も自分との関係も全然思い出せないって。」

直人「命が狙われてんだとしたら、眠ったままのAさん大丈夫なのか！？」

さや「目が覚めた直後から、Aさん東京の友人を名乗ってご主人とやりとりしてるんです。さすがにひかれた原因までは聞けないけど、集中治療室で面会謝絶だから、大丈夫だと思うって。」

隆「HIROさん！何とか何ないんですか？」

HIROさんは考え込んだままだ。