愛してるって言えるのは…3 (ページ35)

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隆二side

珍しく早く起きたから、歌の練習をしようと思って早い時間に会社に行った。

人気のないフロア…。

朝日に照らされて、何か好き。

誰もいないと思ってたフロアに1人静かに佇んでいる君を見つけた。

１つ１つの机に触りながらゆっくりフロアを回ってる。

まるで、最後の挨拶の儀式みたいで不安になって名前を呼んだ。

「A！」

びっくりしてこっちを見て…ふわりと笑った。

A「早いね。」

「うん。ちょっと歌の練習しようかなって。」

A「えらいねぇ。よしよし。」

ふざけたように俺の頭を撫でるA。

「急に大人なフリしないでくださーい。」

A「隆二君より大人ですー」

そう言ってふくれる君が可愛いな。

「Aも早いよね？」

A「あ、うん。何か寝れなくて。」

…そうだよな。寝れなくて当然な状況だよな。

なんて声をかけたらいいか分からなくて、2人で無言で歩く。

最初に沈黙を破ったのはAだった。

「歌の練習、聞いてもいい？」

「もちろん！A、リクエストは？？」

A「え！？いいの！？贅沢ー！」

と、嬉しそうにはしゃいで…しばらく考えて言った。

A「空に住む」