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臣side
結局、あの後いつものわちゃわちゃになってレオナとゆっくり話ができなかった。
何か話足りなくて、休憩時間にレオナがいる二階のフロアに顔を出す。
いつもは沢山スタッフが行き交ってるのに…、本当に人手足りてねーんだな、そう思いながら1人でポツンと座ってるレオナを見つけて近づこうとした。
…………?
様子がおかしい。
前にも見たことがある。
退院した日の車の中だ。
でも…この前ともちょっと違う。
カタカタと身体が震えている。
……怖がってる?
すぐ隣に立っても俺に気づいている様子がない。
何度か呼びかけてようやく反応したレオナはハッと顔を上げた。
涙が頰を伝う。
……何が起きてんだよ…。
目、覚めてから絶対おかしいだろ…。
抱きしめたい気持ちを抑えて、グッと手を握りしめた。
何を聞いてもはぐらかすレオナ、今聞き出すのは無理だなと諦めた。
はー、何か全然話し足りないな。そう思ったら自分でも驚く言葉が出た。
「今日の夜、飯付き合え。」
驚いたようにおれの顔を見た。
何だよ、嫌?
断られるかな?って思って目をそらしながら返事を待つ。
「いや、そんな、なんて贅沢な。勿体無い。」
……意味わかんねーよ(笑)
いちファンかよ(笑)
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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時