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Newレオナのわたしが意外と事務仕事で使えることが昨日判明し、丁度1人辞めたばかりという事もあって、私は現場と事務の仕事を兼任することになった。
事情を知っているさやちゃんが近くにいるから心強い。
さや「レオナ、ごめん、この辺の書類の整理お願いしといていい?あとスポンサーへの挨拶状とかリストアップしてるのあるんだけど、ここ1年でだいぶ増えてるから、拾い上げて名簿の訂正もお願い。」
「了解!」
それだけ指示すると事務フロア内は私1人になった。
しかし、本当に広いフロアだなー。
さやちゃんみたいにチーフになっちゃうと全体見ないとならないから大変なんだよね。
そして、案外こういうこまかーなちっちゃい仕事をする人がいなかったりして…。
自分の仕事を思い出す。
事務仕事も沢山あったけど、人に関わるのが好きだったなー。
楽しかった。
仕事している時を思い出す。
…うーん、何か忘れてる気がするんだよな。
……何だったかな。仕事のこと………。
その時だった。
「キキーッ」外から車が急ブレーキをかける音。
ドクンっ!!!!
『…どんっ!』
突然、あの誰かに押された感触を思い出した。
そして…
次に流れてくるイメージ…
私を押し飛ばした人の…ニヤッと笑っている口元。
笑ってるの?
私、死ぬかもしれないのに?
身体がガタガタと震え始める。
?「レオナ?…おい!レオナ!!」
誰かが呼んでいる。
そうだ、私の今の名前はレオナ。
はっ!
声の方に顔を上げた。
涙が一筋頰を伝うのを感じた。
そこにいたのは…
臣君。
心配そうに私を見ている。
臣「どうしたの?」
「あ、いや、何か…何でもない…かな?」
不機嫌な顔になる。
あーもーこの人、私絡みになるといっつもこの顔になっちゃうな…。
臣「泣いてるのに、大丈夫じゃないだろ。」
「あ、何で泣いてたんだろ?…大丈夫。…ってか、最初の時と態度違うくないですか?何だか、俺様臣様って感じです。」
臣「あ〜?こっちが本当でしょ?レオナ、調子悪いから猫被ってたけど、誰よりも元気そうだからな。もう猫かぶる必要ねーなって。んで、お前はまた敬語使ってるのな?」
「あ、ウッカリ。失礼しました。」
臣「お前、バカにしてるだろ。」
ぷっっ
「「あはははは!!」」
2人で爆笑する。
良かった、さっきの怖い記憶が少し和らいだ。
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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時