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………やばい……。
やってしまった…。
隆二君が困ってる…。
あの後、勢いでマネージャーさんの所に行って、事情を話して、スタッフさんの運転する車に隆二君を乗せて今に至る…。
あたしってば…なんてでしゃばったことを…。
でも、多分、大分しんどいと思う…。
…倒れたりする前に…これで良かったのか!
ここまでお節介した責任とって、最後までお節介しとこ!
急に前向きに考え出した私の横でクスッと笑い声。
見ると隆二君がこっちを見ていた。
隆「レオナ、百面相、面白い(笑)」
真っ赤な顔で目が潤んできている。
相当辛いに違いない。
病院まであともう少し。
「隆二くん、私の肩で良ければ貸すから…。寝てて?」
隆「ん。」
右肩にかかる重みと、それよりも私の頬に触れる隆二君のおでこの熱さが想像以上で心配になる。
病院に着いた時には、隆二君の熱は、38.5度まで上がっていた。
診断は「ちょっとこじらせた風邪」肺炎とか変なウイルスではなくて、でも脱水になってるからって、点滴を受けることになった。
運転してくれたスタッフさんは一度事務所に戻ることに。
寝ている隆二君の隣で椅子にかけながらスマホを操作していると…
ぶぶっと、ラインの着信。
ディスプレイには「臣」
『隆二、どう?』
あっさりしてるけど、心配してるのが伝わってきてにやける私。
優しいなぁ。
隆「…臣から?」
隆二君がこっちを見ていた。
「気分、どう?」
隆「うん、大分楽かな。」
「でも、まだ熱高いから。」
隆「うん。ライン、臣?」
「うん。隆二君のこと心配してるんだよ。本当仲良しだね。」
隆「ふふふ。あいつは俺のこと、何でもお見通しだからね。…だから、…多分。」
言いかけて隆二君は眠り始めた。
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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時