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臣side

会議が終わった後もなんとなくレオナの様子を見たくてゆっくりトレーニングに行く準備をしていたら………

会議の資料をまとめるとか言い出してる。

前のレオナなら絶対に言わなかったセリフ。

そう言うのがまるでダメだったから俺らの側の現場担当になったはずだけど…。


さやも固まってたけど、本人がどうしてもって言うから任せることにしちゃってるけど…!

いや、できるわけねーだろ!
仕事を任されて嬉しそうに出て行くレオナの後を誰にも気づかれないように追って声をかける。

「…ねぇ!ちょっと!」

びっくりして振り返る君。

そしたら……「丁度良かった!!!」って逆に腕を掴まれて非常階段の扉を開けて中に突っ込まれる。

え?用事あったの俺だよね?
びっくりして小さな君を見下ろすと、真っ赤な顔してこう言った。

「さやちゃんから、全部聞きました!」

あー…………。
ヤバい…………。今、そのこと頭から抜けてた…。

何を言われるんだろうって緊張していたら…
君は意外にも落ち着いてこう言った。


「私にはあなたと付き合っていた記憶も、あなたを好きだった気持ちも、今は忘れて全部何もありません。だから……とりあえず、記憶が戻るまで…今の関係は一旦解消して…友達になってくれませんか?」

力が抜けるのが分かった。
記憶がなくなって、きっと君は不安だろうに、全部の事情を知った上で友達になろうと気を使ってくれている。

「ありがとう…。」

それしか言えないでいると、君は真っ赤な顔のまま、照れたようににっこり笑った。

久々に真正面から目があって…その見慣れていたようで見たことがなかったような笑顔にドキッとした。


…そして……、何でかな、好きって気持ちがないって言われた時、ちょっと気持ちがチクってなったんだ。

目覚めてから、俺の知らない君ばかり見せられて、目が離せない自分がいるんだ。

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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時

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