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寮の部屋は広い1LDKだった。

これで寮?
さすがLDHだな、なんて思いながら、部屋を見て回る。

HIROさんと、三代目のメンバーとスタッフさんは「ゆっくりできないだろうから。女の子の部屋だし。」って玄関先で帰っていった。

正直、私も彼らといることで緊張が倍に増していたのでホッとした。


寝室に入って写真たてがいくつか飾ってあることに気付いて見に行く。

………。

三代目のメンバーと楽しそうに写る写真が沢山(笑)
本当に仲良いんだなーなんてクスッと笑ったのもつかの間…

………?

明らかに、他とは違う雰囲気の写真。
2人で寄り添って、恋人同士に見える…。

私の隣に写っているのは……登坂さん?


さや「付き合ってるの、レオナと臣。」


寝室のドアから声がして振り返るとさやちゃんが、困ったような優しい顔でこっちを見ている。

「…え?……」
一瞬思考回路が止まる…。そして、あまりにも不自然なほど自然に私の荷物を持った登坂さんを思い出した。
あの時感じた違和感はそういうことか…。
でも…登坂さんには付き合っているとは思えないような…何か緊張感みたいなものが常にあった…。
記憶がないとは言え、久しぶりに目覚めた恋人との再会にしては彼の態度はどこか他人行儀だった。



自分のことで精一杯だったけど、いつか戻る日までこの身体で頑張ると決めたからには、レオナさんのことに向き合うことにしよう。

思い返せば、メンバーが来た時も、移動中の車の中でも、HIROさんとメンバーは常に私と登坂さんを心配そうに見つめていた。

彼とレオナちゃんの間に何かが起きて、私はここにいるのかもしれない。

「全部、教えてもらえる?覚悟は決めてるから。」

さやちゃんは静かにうなづいた。

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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時

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