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…………(ぱちっ)………
突然目が覚めた。
何か夢を見ていたような気がするけれど思い出せない。
二日酔いみたいに頭が重たい…。
天井を見て違和感を感じる。
(何だろう?うちの天井こんなに白かった?)
天井の違和感の次は部屋の明るさと静けさ…。
物音一つしない…。
(私寝過ごした…?)
ゆっくり寝ていたくても、大抵いつもは誰かのうるさい足音で目がさめるのに…。
時間を見るために枕元のスマホを取ろうと寝返りを打つような姿勢で腕を伸ばすと
(……………!?)
自分の腕に刺さっている点滴に気づく。
(え!?嘘でしょ!?私どうかした!?)
重たい身体を起こしてみると、そこは病室だった。
心電図モニターが異常を知らせるように赤く点滅する。
ベットをそろりと降りて、一体どこの病院にいるのか少しでも情報が欲しくて窓の外を覗く。
……………………(絶句。)
そこには、全く知らない景色。
立ち並ぶ高層ビル、下を歩いている沢山の人。
(何これ?)
パニックを起こしそうになった…
その瞬間、後ろのドアが開き、立っている私を見て看護師が驚いたように目を見開き、次の瞬間慌てたようにナースコールを押し「意識が戻っています」と向こう側に伝えた。
医者と思われる格好をした男性と、もう1人看護師が足早に入ってくる。
そして、その後ろにはスーツを着た見たことのない男。
男は私を見ると、ホッとしたような泣きそうな顔になり、「ちょっと………電話してきます!」といなくなった。
その後、私は再び看護師にベットに寝かされ、医師が聴診器を当てたり、診察をしている。
「声出せますか?」という医者の質問に「はい…私…どうしたんでしょう?」と聞き返して初めて気付く……。
私の声じゃない………。
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作者名:まる | 作成日時:2017年12月15日 9時