【.f.j.】あなたの魔法にかけられて…Ⅰ (ページ45)

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フジ視点

ﾌﾟﾙﾙﾙ…

珍しくAちゃんから電話がかかってきた

「Aちゃん、どうしたの？」

『"……"』

「大丈夫…？」

『"………寂しい…"』

「ちょっと待ってて？」

急いでガッチ先生に許可を取り、
宿舎の外に出た

「もしもし…何かあった？」

『"……何も無いよ……？
ただ、最近会ってないから……"』

寂しい原因が俺でよかったとホッとしつつ、
申し訳ない気持ちになった

「ごめんね…？
課外終わったらいっぱい会いに行くから」

『"うん…

最近、演劇部の手伝いしてるの…"』

「そうなんだ…楽しい？」

『"楽しい、けど、

男女が空港で別れる場面で
フジくんのこと思い出して…寂しくなった……"』

ステージに立つのかな…？
そしたら、見に行かなきゃ……

『"フジくんは……私のことを、
少しでも…考えててくれ、た…？"』

「考えてたよ…？
それで授業聞いてなくて怒られちゃった…」

『"ふふっ、そっか
ごめんね？"』

声色が明るくなって、少し安心した

「大丈夫だよ」

『"…勉強、まだしてた？"』

「うん、」

『"邪魔しちゃってごめんね、
勉強頑張って…"』

「Aちゃんも練習頑張って…！」

『"ありがと…
じゃあ、またね"』

ﾌﾞﾁｯ

はぁ……ぎゅってしたいのになぁ
帰れないし、姿も見れない

「…どうだった？彼女からの電話」

「わっっ、び、ビックリさせないでくださいよ…」

「だってー、気になるじゃん」

「人の恋愛を面白がってるだけじゃないですかｗ」

「とにかく、
もう電話済んだなら続きやるよ」

「はい」

………早く課外終わってくれっ！

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