【.f.j.】あなたの魔法にかけられて…Ⅰ (ページ44)

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A視点

｢俺の夢は叶えさせてくれないのか……？｣

『……え……』

｢《アリサが主演の舞台を観る》
これが俺の夢だ

アリサが夢を捨てるなら、俺の夢も叶わない｣

『……コウイチ…』

話に入りすぎて、涙がこぼれた

｢……行ってこい
俺はここで待ってる｣

抱きついていた腕を優しく引き離される

『……頑張るから……
ずっと待っててね……』

｢おう、
俺も、将来のお嫁さんのために仕事頑張るから

必ず、俺の所に帰ってこいよ｣

《空港のアナウンス》

『あ……行かなきゃ……』

置いていたバッグを持つ振りをする

｢いつか、手紙送るよ｣

『…どうして手紙なの？』

｢手紙なら、思い出として形に残るだろ
俺の気持ちも、アリサの気持ちも｣

『…そうだね
楽しみに待ってる

じゃあね…』

上手(ｶﾐﾃ)側に戻ろうとすると、腕を引かれて水上くんに抱きしめられる

｢またな｣

「"守るよ、もう辛い思いなんてさせない"」

あの時の言葉を思い出して寂しくなって、
少し強く抱きしめた

離れて目を潤ませたまま水上くんに微笑んで
上手(ｶﾐﾃ)側に捌けた

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『すごく感情がこもってて良かったよ！』

『ありがとう…』

「Aちゃん、めちゃくちゃ上達したね！
この調子だと、文化祭も成功しそう」

『先生……
ありがとうございます…！』

「じゃあ明日は、
大道具の方でまだ完成してないものを手伝って、
その後一度最初から通してみようか

じゃあ、お疲れ様」

｢｢｢お疲れ様でした！｣｣｣

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