【.f.j.】あなたの魔法にかけられて…Ⅰ (ページ34)

今日:14 hit、昨日:13 hit、合計:22,021 hit

. ページ34

.

フジ視点

頬をつたう涙

それをみて、
「俺も打ち明けよう」
と思って咄嗟に言った

急いで靴を脱ぎ、部屋へ行く

「遂に来たぞ、お前の出番」

《おかえりー、ってなんだよ出番って》

道具を漁る

「あの子を喜ばせるには、どうしたらいい？」

《あーあ、遂に告白しちゃうんだー
だったら、俺がひと肌脱ぐしかねぇなぁ！》

.

もう外は暗い
これなら丁度いいかもしれない

庭に出て、Aちゃんがいるか確かめる

そういえば、俺が一目惚れした時もこんな感じだった

柵を軽く飛び越えて彼女の庭に入る

「待たせてごめんね？」

『…ここの柵、越えられちゃうの？』

「そうだよ
じゃあ、今から見せるね？」

妖精化したフィルマが彼女の周りを飛ぶ

『…なにこれ……かわいい…』

《可愛いとか俺に言うな！》

『え、ご、ごめんなさい……』

「これ着て？」
使っていない黒いローブを渡す

『……どう、かな？』

裾をヒラヒラさせながら聞いてくる

「うん、似合ってる
さ、行こ！」

『どこにいくの？』

「すぐ分かるよ」

.