Storm's a moment vol.5 (ページ9)

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とあるファンの参戦日ページ9

『皆さんから頂いた、あったかくて大っきな大っきなエネルギーを糧に、また明日から歩いて行けそうです。皆さんにも、我々のエネルギーが届いた事を願っています。本日はありがとうございました、また絶対逢いましょう』

何度も“ありがとう”を繰り返したひぃ様

冗談っぽく“珍しいモン見れたなって思って頂けたら”って言ってる目はどことなく潤んでいて

あぁ、悔しいんだなって

今日誰よりも、悔しくて絶望感を感じたのはひぃ様なんだろうな、って思う。

嵐で居るために、血の滲むような努力を重ねている人だから

ひぃ様が自分自身に求めるモノは、並大抵の努力じゃ成し得ないレベルで

こんな弱いというか、“え、？大丈夫？”って思わせる姿を見せるだなんて、ひぃ様の中では絶対に赦される事じゃなかったハズ。

プロ失格だって言うけど、コンサート再開してからのひぃ様のプロ根性は、泣けてくるくらい本当に素晴らしいものだった。

プロなら、ちゃんとオープニングからやれよ

そんな意見もあるんだろう。

だけど、そんな声も全部全部真っ正面から受け止めて、それでもステージに立ち続けた事も評価しても良いと思う

止める事だって出来た

ステージ裏に下がったままで、アナウンスで謝罪して終わらせる。

でも、それをしなかった潔さも見て欲しい。

ひぃ様の次、翔君の挨拶でもひぃ様の事に触れる

翔「ーでも、今日は本当に稀に見るモノを見せて貰ったな…そう思います。身内贔屓だ、なんて言われたらそれまでなんだけど、」

翔「…燃え尽きてこそ輝く。本当にその通りの輝き具合だったんじゃないかと…。あの衣装のせいかな？赤い衣装だったから……、不死鳥に見えたんだよなぁ…」

潤「分かる分かる、オレも思ってた」

和「そうだね、見えた」

雅「カッコよかったよね」

智「よかった、」

翔「だよね？そーなんだよ、センターステージでピンスポに照らされた後ろ姿に、不死鳥を見たよ。オレは…、オレら“は”か、」

苦笑いして下を向いたひぃ様の口がキュッとなって、もしかして涙を堪えてるのかな？

それから翔君の挨拶が終わるまで下がったままのひぃ様の視線

挨拶が終わった翔君に何か話しかけられて、翔君の方を向いたひぃ様の目は、さっきよりもっとウルウルしてて

“アッハハハ”って笑い声が聞こえてきそうなくらい、翔君が笑ってるのを見ると、なんだか安心する。

嵐の愛は深いな、って実感する。