Storm's a moment vol.5 (ページ19)

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pleasure ページ19

side 櫻井

ー…圧巻の一言だった。

一発目からultra soul

初っ端から会場のボルテージが一気に上がって、次々に流れてくるのは名曲揃い

惜しげも無くヒットソングが続き、ファン人気の高い曲がズラリと並ぶセットリストは、最初から最後まで鳥肌モンだ。

途中、サプライズゲストで木村君がステージに立っていたり

MCでまさかの

稲葉「ーそんなカッコいい人の後輩さん方も、今日は客席からこのステージを観て下さっています。」

稲葉「僕らもキラキラな彼らに負けない様に、…キラキラは出来ないですけど、まぁ…キラッとくらいは出来るように頑張ります」

稲葉「ね。僕らも嵐を巻き起こしましょう」

稲葉「ウチにも、松本さんがいらっしゃいますから」

会場全体が笑いに包まれる中、チラッと旭灯に視線を送ると、苦笑いで

でも嬉しくて仕方がない、って顔をした旭灯と目が合った。

周りのお客さんも、チラホラ気付いている人が出て来て、“嵐だ”って声が聞こえてくる。

でも話しかけてくる様な事もなく、直ぐに稲葉さんのMCに耳を傾け次の曲で一緒に歌い踊る。

B’zさんにあんまり詳しくない俺でも、スッゲェ楽しい時間だった。

大満足、って全身から伝わって来る旭灯

規制退場のアナウンスに従って、少し席に座って待機していると、隣の席の子が遠慮がちにコソッと旭灯に話しかけている。

◉「ー…あの、櫻寺旭灯さん…ですよね？」

『あ、はい。櫻寺です』

◉「あの、復帰待ってます。子育ても大変でしょうけど、頑張ってください」

『ありがとうございます。頑張ります』

◉「ー櫻井さんも……、ニュースいつも拝見してます」

翔「ありがとうございます。是非とも今後もよろしくお願いします」

ポツリポツリと続く旭灯と隣席の子との話を聞きながら、ウッチーにメールを送る。

すると、直ぐにウッチーからの着信

翔「ーはい、もしもし」

内田「【お疲れ様です、櫻井さん。今どちらですか？】」

翔「まだ席なんだよ。ウッチーは？」

内田「【僕はもう駐車場に着きます。スタジアムの外でピックアップするので、会場を出たらまた連絡します】」

翔「了解、ありがとね」

内田「【では、後程】」

通話が切れたスマホをジャケットのポケットに入れて、ちょうどアナウンスされた通りに席を立って退場を始める。

ジャケットの裾を握る旭灯の手を握って、人の波に乗って会場を出た。