Storm's a moment vol.5 (ページ16)

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pleasure ページ16

side 櫻寺

諦めていたB’zのライブ

ツインズを置いて行くなんてカケラも考えてなかったから、泣く泣く諦めていた。

でも翔さんが一枚上手で、クローゼットの奥深くに封印していたチケットを発掘していた

当日休みまで取ってくれて、一緒に参戦してくれる。

いつもウッチーと参戦するんだけど今回は別々ね、って言ってたから正直めちゃくちゃ嬉しい。

明日からまた、頑張れる様に今を思いっきり楽しむ事にする

でも、始まるまでちょっとだけオシゴト

自分のスマホは没収されてるから、翔さんのスマホを借りて潤くんにメールを送る。

ライブ構成からセット、果ては照明の色まで事細かく考えてくれてる潤くんへ、スタジアムの雰囲気や注意点、思い付くものを箇条書きだけど送りつける。

後からレポートにして渡すんだけど、さっき潤くんからスタジアムの様子教えて、ってメールが来てたから

翔さんがメンバーに話してたのね…、今日スタジアムに行くって。

翔「ーもういいの？」

『うん、帰ってからまたレポートにするけどね、』

私がメールに夢中になってる間に、飲み物といつの間にかツアーパンフレットを買って来てた翔さん

…ツアーパンフレットって、外のグッズ販売でしか買えないんですけど……

『ー…並んだの……？グッズ販売』

翔「ん？あぁ、パンフレット……？そうだよ。思った程並ばなかった」

『顔バレしなかった？大丈夫？』

翔「してねぇんじゃね？誰にも声かけられなかったし」

何とも楽観的なコメントを聞きながら、だんだんと埋まる客席を見渡す。

ここに集まった誰もが期待に胸を膨らませ、ニコニコと笑い合いながらその時を待っている。

私達も、ほんの少しトーンを抑えて久しぶりに2人っきりでゆっくり所謂“夫婦の会話”ってヤツをしていた。

翔「ー……え、…マジか………」

『翔さん？』

翔「ニノからメール来てんだけど、……木村君が、会場にいらっしゃるらしい」

『木村君って……あの木村君？』

翔「やっぱ、オレ顔バレしてたみたいだ…、スタッフさんにだけど…。B’zさんのスタッフがニノと木村君経由でオレらの席、確認とりてぇって」

『それは別に構わないけど…、何で木村君？』

翔「関係者席にでもいらっしゃるのかな？後で挨拶行くか、」

『うん、終わった後会えるかな、』

木村君…、木村君？

…あぁ、何が何だかパルプンテ、だよ