Storm's a moment vol.5 (ページ14)

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pleasure ページ14

side 櫻井

どうも、ボクです

櫻井翔です。

本日は9月の21日

現在地は………

味の素スタジアムです、ありがとうございます。

本日は旭灯のお供でやって参りました。

先月、寝室のクローゼットの奥深くから偶然発掘した2枚のチケット

旭灯が愛してやまないB’zさんの、30周年の記念ライブ

しかも結成日のライブチケットは、送られてきたまま封すら開けていない状態で、キャリーケースの下敷きになっていた。

ちゃーんとファンクラブの旭灯本人の名義で当選していたチケットが、何故こんな所に隠してあったのか

単純明快

ツインズ居るから、でしょうな

どう考えても。

毎年ツアー日程が発表されて、スケジュールと比べては一喜一憂する旭灯の姿を去年と今年見ていなかったから

家捜しした甲斐があったよ、ホント。

ツインズが生まれたばっかりだし、とか

仮にも活動休止中だから、とか

でもでもだってを繰り返してる旭灯の首根っこ掴んで、タクシーに飛び乗った。

ツインズ？

事情を話したら、嫁に来てくれた旭灯ちゃんに息抜きもさせない甲斐性のないバカ息子と罵倒に次ぐ罵倒を浴びせてくれた(100%お袋のマシンガントーク)ウチの両親が見てくれてるよ。

一生で一回しかない大好きな人達の記念の日

絶対に目に触れない所に隠すくらい行きたがってる所に、たまーにくらい行っても良いと思わない？

毎日毎日ツインズの世話をする間に嵐会議、俺が仕事から帰って来たら完璧に用意されてる晩御飯又は夜食

世間やファンの人たちの目に見えないだけで、活動休止前と変わらず新曲を作ってみたり、その衣装をデザインしてみたり

細々としたものからどデカイものまで、旭灯の指揮でいくつもの企画やプロジェクトが鋭意進行中。

翔「ー…大丈夫だって、たかが数時間羽を伸ばすくらい」

『ぅう～………、』

罪悪感オバケに取り憑かれた旭灯の手を引いてタクシーに乗り込む。

櫻井のジジババから連絡は来ていないかと、チラチラとスマホを気にして居る旭灯から諸悪の根源を没収

ウチからだったら、まず俺に連絡が来るはずだと言いくるめて、手荷物の奥深くにお揃いのスマホを沈める。

少しずつツアーグッズを持った人達がパラパラと見え始め、スタジアムに近づくにつれて旭灯の表情にもワクワクが隠しきれない笑みが浮かぶ様になる。

そうそう

コンサートって、こうじゃねぇとな。