Storm's a moment vol.4 (ページ9)

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トリセツページ9

side 墨谷

予定の時間より20分程早く、スタジオに到着

いつも使っている、通い慣れた道のりを歩いてスタジオに入る。

準備を進めているスタッフに挨拶しながら、定位置に荷物を置いて

ゴソゴソとレッスン着をカバンから引っ張り出した2人は、揃って更衣室へ。

キャイキャイと楽しそうに話しながら、更衣室へ行った2人の姿が見えなくなった事を確認して、櫻寺ちゃんのトリセツを確認する。

櫻寺ちゃんトリセツ

【レッスンやリハーサル前には、常温の水を確保しておく。緑茶もあればなお良い(常温)】

【バックのマスクを開始前に渡す。二枚希望する事もある為、在庫の確認は必ず行う事】

そう、この軽い辞書ぐらいあるトリセツと一緒に渡された、ウッチー特製のチーフマネージャー命名の【櫻寺用四次元バック】

薄手のブランケットやタオルに風邪薬や鎮痛剤といった、市販や病院で処方された薬各種

使い捨てのカイロは貼れるタイプと貼れないタイプ両方が

風邪やインフルエンザ等々の予防に役立つマスクは、今日の様な振り付けの時なんかに、負荷を掛ける為に使ったりもする。

その他にも、櫻寺ちゃんが管理しているというポーチが２つ入っていたりと、櫻寺ちゃんが必要とするモノ全てが詰め込まれた魔法のバック。

潤「ーねぇスーミン、マスク持ってない？今日忘れたんだよね…」

墨谷「あー…、悪いちょうど切らしてるんだ。今から買って来ようか」

潤「あぁ、いいよいいよ。ごめん、あったら良いな、くらいだったから」

レッスン着に着替えた潤が、ヒラヒラと手を振って定位置の席へと戻って行く

こういう時があるからなぁ…、オレも潤専用の四次元バック作ろうかな…。

とりあえず、ウッチーにこの収納力がハンパでないバックを何処で買ったのか、教えてもらおうと心に誓ったそんな時、レッスン仕様になった櫻寺ちゃんが更衣室から戻って来る。

『ースーミン、マスク貰っていい？』

墨谷「おぉ、ハイハイ。一枚でいい？」

『うん、今日は一枚で大丈夫。ーあ、後ポーチ出して貰ってもいい？黒猫がプリントされてるやつ』

墨谷「了解。ー…これでいい？」

『ありがと。潤君、今日マスク忘れてるでしょ？』

墨谷「そうなんだよ、良くわかったね」

『ふふふ。昨日最後の一枚出してたから、もしかしたら、って思って』

大正解だったね、って言いながら櫻寺ちゃんがポーチから出したのは、潤がいつも使ってるマスク。

櫻寺ちゃん、キミはメンタリストか何かなのかな？