Storm's a moment vol.4 (ページ45)

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跡ページ45

side 二宮

翔「…熱持ってんな…………、鎮痛剤飲んでんだろ？取り敢えず冷やして、本番は…シップでも貰うか、」

潤「翔くん、シップならオレが持ってる」

相葉さんを待つ間、諸々の準備を始めた翔ちゃんと潤君

そんな2人を申し訳なさそうに見つめる旭灯サンに、
側に陣取った大野さんが優しく笑いかける

智「ーねぇ、旭灯。自分で背中見た？」

『………楽屋帰って来る前に、トイレの鏡で…』

和「スッゴイ事になってますよ、背中。多分蹴られた直後に見たんでしょうけど、今は靴の跡がクッキリですよ」

翔「明らかに男物のな。革靴だな…ソレ」

大人しくされるがままの旭灯サン

デビュー当初は、よくこういった跡をあちこちに付けて帰って来てたんです

明らかにヒールで踏みつけられた様な跡

抓られた跡に、思いっきりビンタされてホッペ真っ赤にしてきた時もあった

そういう暴力には顔色一つ変えないこの人には、ホント困りモンですよ。

こちらが気付かないと、全部ナカッタコトで片付けようとするんすから。

雅「ー貰ってきたよっ！先生が、酷くなる様だったら本番中でも診に来てくれるって！」

医務室から保冷剤とバスタオルを抱えて戻って来た相葉さんは、真っ直ぐ旭灯サンに駆け寄って大野さんと靴の跡を冷やす準備にかかる

バスタオルで包んだ保冷剤を内出血起こしてる患部に当てて、上げられたままだったシャツが戻された。

翔「ー…んで？説明してくれんだろうな、旭灯」

潤「どこのどいつだよ、旭灯姉ぇの背中にそんな跡付けやがった奴」

語気も荒く問い詰める翔ちゃんと潤君を宥めながら、旭灯サンがポツリポツリと零す断片的な情報を繋げて行く。

先程のリハ終わり、スタジオから出ようとしたタイミングで、リハを控えたグループとバッティングしてしまった

向こうさんは大人数のグループで、先にスタジオ入れた方が早いと、道を譲ったそうな

駆け足でスタジオに入って行く若さ溢れるピチピチアイドルを見送っていると、急に後ろから蹴りが飛んで来て

思わず倒れ込んでしまう程の力で蹴られたもんだから、やってくれやがった奴の顔は見れず。

楽屋迄の帰り道の途中にあるトイレの鏡で確認してみると、ほんのり赤くなっている背中

ジンジンするくらいで、痛みも然程ないから放っておいた

元から偏頭痛で鎮痛剤を飲もうと思っていたから、少しはマシだろうと自己完結させていた、と。