Storm's a moment vol.4 (ページ35)

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命名ページ35

side 櫻井

兄さんが、何処からともなく取り出した、半紙と硯箱

ソファから少し離れた所で広げられたそれは、兄さん直筆で名付けくれる

そういうワケで。

少し口を尖らせて、2人分一気に書いた半紙は

乾くのを待っていたニノが、これもまたキレイに嵐のマークが入った額に入れてくれて

遂にお披露目となる。

潤「ーじゃあ、オレらからでいい？」

和「いいですよ、娘ちゃんからで」

潤「ん。じゃあ、オレらからね。リーダー」

智「おう。この子の名前は、」

兄さんが持った額には“いち馨”の文字

潤「“咲いた場所だけじゃなく、遠くまでその馨が及ぶ様に”、“将来、誰かの為だけでも良いから、誇り高く咲いて【一番】良い馨を届けられる様に”そう想っていち馨」

智「苗字が櫻井だから。将来お嫁に行っても、“櫻”の花は形が見えなくても、ちゃんと“馨り”で残ってんだぞ、って言える様にね。」

『櫻井いち馨…………、良い名前…。智くん、潤くん本当にありがとう』

潤「本当は名前にも桜を入れたかったんだけど、顔見て…ね。リーダー」

智「ん。なんか桜みたいな、儚い…つーか、そんな感じじゃなかったから。しょーくんと旭灯の子だから、強い…ちゃんと自分で立てるコになるよ、きっと」

潤「守られるより、凛と自分の足で立って前を向いて歩いて行く感じがするんだよね。それこそ、咲く場所も選ばずに。旭灯に似てるかな、雰囲気が」

雅「ぁあ～分かる。なんか、澄んだ空気っつーかホントに凛とした感じだよね」

和「まぁ、産まれたばっかりですけどね。十分分かりますけど」