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「香！お待たせー。」
午後。私は約束の時間通り、香との待ち合わせ場所『喫茶店ポアロ』についた。
「綾乃、思ったより元気そうでよかった。」
「心配っしてくれてありがとうね。」
「べ、別に。」
「・・・萌え。」
「オタク用語禁止。それに、その鞄のストラップ外しなよ。」
香は私の鞄についている私のはまっているソシャゲのマスコットキャラのストラップを指指しながらいった。
「何を今更。昨日の合コンでは言われた通り外したでしょ？携帯の待ち受けまで変えさせて。すいません、注文お願いします。」
私は香の指摘を無視しマイペースに店員をよび注文をする。
「綾乃さんに香さん、いらっしゃいませ。注文はいつものでよろしいですか？」
「流石安室さん。はい、2人ともいつものでお願いします。」
香はイケメン店員安室さんに目をハートにさせるとワントーン高い声で話しかけていた。私は露骨にひきつった笑みを浮かべながら親友の潔い変貌っぷりをみる。
厨房にオーダーを伝えにいった安室さんの背中を眺めながら香はいう。
「はぁ・・本当に爽やかイケメンよね。目の保養・・。彼女とかいないのかな？」
「さぁね。ああいう人に限ってゲイだったりするもんだよ。」
「ちょっと！！！やめてよね、そういう事言うの！てか安室さんに失礼じゃない。」
「興味ないからな・・・。」
「あんたって本当に一途よね・・。一人の人を好きになると他は目に入らないし。それ故に引きづるのよね・・。」
「あぁ・・・耳が痛い・・。」
図星をつかれた私は溜息をつきながら喫茶店の窓から外をみる。
「そういえばさ、昨日助けてくれた刑事さん？と思わしき人の名前とか聞いてないの？」
香の質問に私は再び溜息をついた。
「・・・それが私取り乱していて聞きそびれちゃったんだよね。このハンカチどうしよう？」
私は洗ったハンカチを鞄から取り出し親友に見せる。
「にしてもさ、これで街中で偶然再会なんてしたら本当ドラマみたいだよね！てかその人かっこよすぎじゃな？」
「・・・うん、確かに否定はしない。今まで警察官って交通機関の取り締まりで点数稼ぐっていう印象っしかなかったけど、今回の件で印象変わったな。」
私がぼんやりと宙をあおぎながらいえば、注文したハムサンドとカフェオレが届いた。
「お待たせしました。ご注文の品はお揃いですか？」
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作者名：ユウナ | 作成日時：2019年8月8日 9時
