26 ページ26
上司の話をする風見さんは、どこか嬉しそうで、心から尊敬している様子が伝わってきた。
とても厳しい指導者ではあるが、自分自身の成長を見込んで指示を出してくれることや、非の打ちどころがないほどすべてにおいて完璧で、女性からもモテモテらしい。
「本当に敵いませんよ、あの人には・・。」
「とてもすごい人なんですね。風見さんがその人にとても憧れているのが伝わってきます。」
「えぇ、きっとあの人に追いつくの不可能でしょうけど。」
「・・・他の誰かになろうとするのは無理な話ですし、なにより、自分自身が苦しくなりませんか?風見さんは風見さんです。あの時、路地裏で私を助けてくれた警察官を私は一番かっこいいと思っています。」
「神原さん・・・。」
「きっと、私のような一般職務に就いている人間と風見さんの職場とでは、比べ物にならないほど大変だとは思いますが、応援してます。」
「ありがとうございます。お互いに頑張りましょう。」
「はい。」
料理を堪能しながら、それから他愛もない話をする。最近のニュースの話題やら好きな食べ物やら本当によくある世間話だ。
話せば話すほど、風見さんの第一印象は崩れていく。とても気難しい印象ではあったが、そんなことはなく、気さくに話してくれる。
警察官ってもっと堅物のイメージがあった私からすると、そのギャップがとにかくよかった。
別れ際に先日の靴代が入った封筒を頂き、さらに食事代もごちそうして頂いた。
「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。」
「こちらこそ、お礼ができてよかった。それでは。」
「・・・はい。」
また、会いましょう・・・とは、言えなかった。きっと、靴のお礼をしただけなのだ。それ以上、特別な理由はない。けれど、私は・・・
また、会いたいな・・・と心のどこかで思っていた。
帰宅後
「さぁ!今日の一大イベントはこれからよ!2次元のユウヤさんとイベント(デート)なんだから!!気合いれるぞおおお!」
シャワーを速攻で浴び終え、歯磨きもした!すぐにログインし、先日10連ガチャで手に入れたおしゃれ装備にアバターも着替えた!スタンバイOK!いつでもウェルカム!!
しかし
2時間後
時刻は23時を過ぎていた
「あれ?ユウヤさん遅いな・・・。」
お互い特に時間は決めていないが、大体21時頃にいつもログインするのだが。
81人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウナ | 作成日時:2019年8月8日 9時