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「おーい、神原!!この資料、グラフ足りないぞ?!すぐに直せ!何でこんな凡ミスしてんだよ、お前はこの会社で何をやってきたんだ?」
「・・・すいません。すぐに直します。」
お前がこの数字見辛いからグラフ省略しろっつったんだろぉぉがあぁあ??!
バンッ!!
私はデスクの下でパワハラ部長に中指をたてて、心の中で呪いの呪文を唱え続けた。
(バルス!アバダケタブラ!メテオ!)
ダメだ
オタクは心中の愚痴り方もオタクが抜けないから、ちっとも怖くもないし効果もない。
あぁー!!もう直ぐ定時なのに、今日は3次元の裕也さんと会う約束してるのにぃい!!!
「神原、その資料にこれたしとけ。そのままデスクに置いて上がれ。俺が渡しておく。」
隣の席に座る佐藤先輩は部長の目を盗んで、編集されたグラフの資料を渡してくれた。
「先輩!!あなたは神ですか?!マジ半端ないって!」
「やめろよぃ。いいから、今日約束あんだろ?さっさと行ってこい。」
「きゃー先輩カッコいいよ先輩!」
「褒め方に捻りがねぇーな。ほら、さっさといけ。」
先輩はしっしっと追い払うように手を振れば、私はカバンに荷物をまとめ、部長に気づかれないように隠れながらオフィスを後にした。
夜
都内某レストラン
安からず高からず、無難なカジュアルレストランにつけば先に着いていた風見さんが姿勢を正して着席していた。
あんな綺麗に背筋を伸ばして座る異性を私は生まれて初めてみたかもしれない。警察官ってすごいなぁ(適当
「風見さん、お待たせしてすいません。」
「か、神原はん!」
ガタッ!
風見さんに、声をかけると彼はビクッと肩を揺らし席を立ち上がろうとした時だ。(若干噛んでいたことはこの際スルーだ)
「あっ!?」
ガシャンッ
バシャー
パリンッ
説明しよう
何故かテンパっている風見さんは席を立ち上がろうとした時足をテーブルにぶつけた拍子に水が入ったグラスを倒した挙句、運悪く床に落ちガラスが割れてしまったのだ。
うーむ。
風見さん、実はドジっ子だな?
やだ、萌えんじゃん!!!!
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作者名:ユウナ | 作成日時:2019年8月8日 9時