106話 ページ6
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「相澤先生？」
「なんだ。」
「いや、なんかぼーっとしてたから。大丈夫？お弁当無理して全部食べなくてもいいからね。」
不安そうに言った磁磁気の指には絆創膏が貼られていて。
頑張ってくれたのだろう。磁磁気が寮に入る前にお弁当を持ってきたところなど見たことなかったから、きっと料理は得意では無いはずなのに。
ふりかけが掛けられたご飯を食べながら相澤は磁磁気の顔を盗み見る。
少し痩せただろうか。相変わらずクマは酷くて、それを隠すための化粧が嫌に浮いていた。
「無理すんなよ。」
「してないよ。」
「死ぬなよ。」
「死なないよ。」
そんな言葉に磁磁気はゆっくりと笑って。
そんな表情が辛そうで、苦しそうで。ただ俺はただこいつを見てやることしか出来ない。
「見てるよ。お前の活躍。」
「うん、ちゃんと見ててね。」
「辛くなったら頼れよ。」
そう言うと磁磁気は少しだけ微笑んで。
「先生も死なないでね。」
「俺は死なねぇよ。」
「嘘つき。USJの時本当に心配したんだよ、私。」
そう言って立ち上がった磁磁気は向かいのソファーから俺の右隣まで歩いてきて俺の隣に座って。
俺の箸を持っている手の袖を握ったかと思うとゆっくりとまくっていく。
「おい、」
「………跡、残っちゃったね。」
「今更傷の一つや二つ増えたところで変わんねぇよ。」
俺の右肘の怪我を見た磁磁気は不安そうに瞳をゆがめて。
顔を上げた磁磁気が今度は俺の右目に手を伸ばす。
「痛くない？」
「痛くねぇよ、心配すんな。」
そんな話をしながら俺は最後のご飯を口に放り込んで、磁磁気に笑いかけてやる。
「美味かった。ありがとな、ご馳走様。」
そう言って空になった弁当箱を机の上に置くと、磁磁気はケラりと嬉しそうに笑った。
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co_sa_(プロフ) - シルバさん» ありがとうございます…！！凄く嬉しいです…！！ (2022年11月3日 12時) (
レス) @page33 id: 4ca7e9942b (このIDを非表示/違反報告)
シルバ(プロフ) - あぁ、何て泣けるお話…。とても素敵な作品です。頑張ってください！ (2022年11月2日 21時) (レス) @page33 id: 511cbc77f2 (このIDを非表示/違反報告)
co_sa_(プロフ) - Kumaさん» ありがとうございます…！！凄く嬉しいです…！ (2022年10月31日 7時) (レス) id: 4ca7e9942b (このIDを非表示/違反報告)
Kuma(プロフ) - めっちゃ面白いです‼︎頑張ってください！ (2022年10月30日 22時) (レス) @page21 id: a64e6fed6b (このIDを非表示/違反報告)
co_sa_(プロフ) - わたあめさん» コメントありがとうございます……！ここまで読んでいただけて光栄です…！本当にありがとうございます！！ (2022年10月25日 22時) (レス) id: 4ca7e9942b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：co_sa_ | 作成日時：2022年10月13日 20時
