人生悪くないかも (ページ43)

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林間合宿4 ページ43

合宿3日目

昨日と同じく1人森の中での特訓をしていた

『はぁ、はぁ、しんど、、』

少し休憩しようと座ると木の物陰に小さな男の子が見えた

『洸汰くん？だっけ、どうしたのそんな所で？』

洸汰くんはビクッと肩を揺らすとそっと顔を出してきた

洸「マンダレイと先生が様子を見て来いって、、死んでるかもしれないからって、」

何でみんなして勝手に人を殺すかな…

『そうなの、ありがとう。お礼にこれ食べる？』

栄養食の一つとして入っていたチョコを見せると少しずつこっちに寄ってきた

洸「…ありがと」

『いいえ〜どういたしまして』

洸汰くんはチョコをとると少し距離を取って座った

洸「…ねぇ、あんたは何でヒーローになりたいの？」

何か思い詰めたような顔をして聞いてくる洸汰くん

『んー、誰かの特別になりたかったからかな？』

洸「意味わかんねぇ、、」

私もよくわかってないから大丈夫

洸「きのう緑の頭の奴が言ったんだ、否定してると自分が辛くなるだけだって…」

緑谷くんそんな事言ってたんだ、逆効果だよと隣で話を聞いている私は頭を悩ませる

洸「みんな親が死んだからってバカにしやがる！同情なんていらないんだよ！」

こんなに小さい子が自分の心と闘っている

『私もいないよ両親』

洸「えっ、」

パッと洸汰くんが顔を上げやっと目があった

『分かるよその気持ち、可哀想だとかなんだかんだ言うくせに、ちょっと失敗すれば親が居ないからだと悪態を突かれてきた』

『もう、ほっといてくれって思うよね』

へらっと笑えば洸汰くんの目には水の膜が張っていく

『でもさ、そんな事言ってくる奴なんてたぶん私達の人生に大して必要ない人たちだと思うんだ。だから、大切な人たちの言葉に耳を傾けた方がいい』

『君は愛されてるだろ？』

洸汰くんの目からポロポロと水が落ちていく

静かに抱き寄せて背中を撫でてあげればぎゅっと小さな手が服を掴んだ

その後泣き疲れて眠ってしまった洸汰くんを合宿所まで連れて行きマンダレイに渡した