人生悪くないかも (ページ27)

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母の日じゃなくてもページ27

休日、図書館からの帰り道

轟「『あっ、』」

偶然轟くんに会いました

『偶然だね、』

轟「そうだな」

『……』
轟「……」

会話が続かない

『買い物の帰り？』

轟「いや、母のお見舞いに行く途中だ」

『そうなんだ、お母さん早く良くなるといいね』

轟「あぁ、」

大変なんだなぁと思い歩いていると、隣を歩いていた轟くんが立ち止まり、私も思わず立ち止まった

なんだ？と思い轟くんの視線の先を追うと花屋があった

『もうすぐ母の日だもんね、買っていくの？』

轟「…母の日はもう何年も贈ってないんだ。急に花なんか持っていったら母さんは嫌がるかもしれない、、」

なんだか思い詰めた顔をする轟くん

私の母は私を産んで死んだからお母さんがどんなものかなんて知らないけど

きっと、ここまで自分のことを思ってくれる息子がいるだけ轟くんのお母さんは幸せだろう

『大丈夫だよ、きっとお母さん喜ぶんじゃない？』

轟「なら、一緒に選んでくれねぇか」

俺センスないからなんて言って花屋に向かっていく轟くん

そこから私もちょいちょいアドバイスをしながらなんとか花が決まった

赤いカーネーションに小さな霞草の花束を手に持つ轟くんは本当に絵になる

轟「守人、今日は助かった。ありがとな」

『いいえ〜、どういたしまして。じゃあ、また明日学校で』

と言って別れようと思ったら

轟「そうだ、これ今日のお礼に」

ピンクのガーベラをくれた

轟「花屋の人が彼女にどうですかって言ってたから」

轟くん解釈間違ってるし、店員さんも勘違いだよと思いながらも可愛く咲く小さなガーベラを思わず手に取った

『ありがとう』

ピンクのガーベラの花言葉は確か、“感謝“だったかな