二話 ページ3
貴「っ…間にあ…え……!」
咄嗟に、声と腕が出た。
Aの右手が鬼の一歩前めがけて人差し指を向け、そのまま勢いよく上にあげられれば、見えない力に引っ張られたかのように地面から突き出た木の幹が鬼の攻撃を防ぐ。
勢いよく爪を木に突き立てた鬼が枝ごと腕を抜いた時にはAの体は鬼のすぐ目の前に移動しており、流れるような動作で目を見開いたまま固まる鬼の首を断ち切った。
貴「…はぁ……」
ドサリ、
と首が落ちればAが軽く刀を振って振り返る。
今は驚きからか殺気は感じないが、またあの殺気を浴びるのかと思うとため息と一緒に肺に溜まった空気を吐き出した。
そして改めて目つきの悪い彼を見た時、今度はAの動きが止まる番となる。
貴「…………え…」
彼は、倒れていた。
*
貴「はぁ………」
太陽の日差しが襖の紙を抜けてAの頰に突き刺さり、床に敷き詰められた畳特有の香りが鼻を通り抜けるこの部屋で
Aは珍しく隠すことなく盛大なため息をついていた。
ただでさえお腹が減って気分が悪いというのに追い打ちのように紙越しだが太陽の光ときた。
何かの嫌がらせなのではないかと眉をひそめるが、あの人ならばあながちなくもないので太陽の光とはまた別に自然とため息が出てくる。
なぜならAをこの部屋に通したのは現蟲柱、胡蝶しのぶなのだから。
貴「…こんな事なら煉獄さんに頼むべきだった。」
「あらあら、そんなことをいっても何も変わりませんよ?稲葉さん。」
ぽつり、と小さく言葉を零せばAに向かって穏やかな高音の声が耳に届く。
穏やかといってもそれは客観的な視点から見たもので、A自信全くといっていいほど思っていない。
むしろ、恐怖対象と言えるのだろう。
貴「胡蝶サン…盗み聞きは良くないと思うのですが。」
対等に話しているようでそうではない。
胡蝶の見えない圧がまるでAの喉を締め付けるような感覚を与える。
思わず片言になってしまったものの、胡蝶はそれをわかっているのか否か、にこりと笑いかけて口を開く。
胡蝶「私はたまたまここを通っただけですよ。不満そうな声が聞こえたのでとっても優しい私が声をかけて差し上げました。
感謝してくださってもいいんですよ?」
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» 変換を間違えていたようです。いつもわかりやすい適切なコメントありがとうございます!どうかたまにでも全然いいのでチラッと見に来てくださると嬉しいです。 (2020年10月10日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 三話の 多分………いや、確実に の後の文章が不自然で何が言いたいのかよくわかりません。 (2020年10月10日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 二話の忍は誤字ではないでしょうか。平仮名でしのぶなはずです (2020年10月10日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - アイヌ沢さんさん» ありがとうございます!話数が多すぎて大変でしょうが頑張ってくださいね! (2020年10月7日 8時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
おまめ美味しい - 大量更新お疲れ様です!次の更新も楽しみにしてますね!! (2020年10月6日 23時) (レス) id: 5180c75d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年10月6日 12時