五話 ページ6
時透「アンタは鬼でしょ。人として生きれるわけがない。」
貴「…それは分かっています。でも…」
そこで一度言葉を区切り、息を吸う。
貴「鬼でも人の様に食事をして、遊んで、笑いあうのは駄目な事ですか？」
時透「………僕が知るわけないじゃん。」
時透はAに背を向けて目をそらした。
悲しさや後悔、恐怖を含む瞳で見られたくなかったからだ。
時透「戻るよ。もう飢餓状態も治っただろうし…このまま朝になって焼け死にたいって言うんなら別だけど。」
喋りながら歩いていく時透を慌てて追いかけるようにAがついていく。
その時にはすでに、Aの飢餓状態は完全になくなっていた。
時透についていくAは、当たり前のように前にでることはせず時透の後ろを歩く。
時透「…………」
貴「…………」
二人ともなにも喋らず、部屋へと歩いていく中、無言の筈なその空間に時透は何かわからない感情に惑わされていた。
それを紛らわせる為に親鳥の後を追う雛鳥のようについてくるAに向けて口を開く。
時透「ねぇ、君さ。僕の事が怖い？」
貴「え…何を言って……」
不意を突かれたように目を見開いたAの姿がチラリとAを見た時透の瞳に映り込む。
そのAの手は、常人にはわからないほど小さく震えていた。
時透の視線を辿り、自分の手を見たAは小さく目を見開く。
Aは完全に無意識だったのだが、それは明らかな時透に対する恐怖の感情を示している。
貴「………ごめんな、さい。」
少しの沈黙の後、Aは小さくそういった。
それがなにに対して放った言葉なのか定かではない。
時透に見せないように隠した両手は、鋭い爪に食い込むほど強く握られていた。
時透「アンタといると調子狂う。」
冷たくそう言い放った時透。
そして背を向けた彼にAは動けなかった。
柱にもなれる程頑張って人々を救ってきた彼を怖いなどと思いたくなかったからだ。
優しさのあるはずの彼を、恐怖対象として見たくなかった。
Aは表情を動かさず、手を握る力を強める。
貴「(人を嫌いにだなんて…それじゃあますます鬼に……)」
時透「それ、やめなよ。」
貴「っ……？」
突然の声に肩が揺れる。
顔を上げるも時透は寝間の方に顔を向けたままで…わけがわからず立ち尽くしていると、時透が小さくため息をつき、もう一度口を開いた。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» 修正しました！鬼に生きる【壱】の所もコメント下さりありがとうございます、助かります！ (2020年10月6日 16時) (
レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 四十話ですが、起源ではなく機嫌だと思います (2020年10月6日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十九話の善逸の漢字が違います (2020年10月5日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - りおさん» 学校ですか��(ﾟДﾟ)大変ですね……続編の作成には少し時間がかかりますが、できれば一週間以内には作りたいと考えていますのでたまに見に来て下さればと思います(*´ー｀*) (2020年4月16日 10時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
りお - おお……!ついに続編３に行きますか!私は今日から学校なのでみれる時間が減ります……(^o^;)続編ふぁいとぉ(･ω･´)ノ (2020年4月16日 4時) (レス) id: 5a5f8160c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぃろ | 作成日時：2020年3月15日 13時
