三話 ページ4
貴「！あ、ありがとう…？」
Aは、このような時の返し方をよく知らない。
知識はある、が、どう返すのが正しいのかわからないのだ。
表情には出さずとも、どこかあわあわした様子のAに蜜璃はにこりと笑う。
その笑みがどう言う意味なのか、Aにはわからない。
蜜璃「よしっ！明日もいっぱい遊びましょう！その為には早く寝なくちゃ！お休みなさいっ！」
貴「……お休みなさい。」
静かにそう言ってお互い天井に額を向ける。
少しすればAの隣からは小さな寝息が聞こえてきた。
貴「(ごめんなさい、そしてありがとう。)」
口には出さない。
出してはいけない。
自分がこの言葉を言ってしまえば、きっと優しい彼女は困った顔をしてしまう。
そうAは信じて疑わない。
みんなそれぞれの本当に小さな呼吸音を聴きながら、Aは「今度こそ眠れますように」と願って目を閉じた。
………………………
数刻後、Aは目を覚ました。
外は未だ太陽の姿を見せてはいなく、頼りない月の光が照らしている。
そんな真夜中でAは唐突に目が覚めた。
音が聞こえる。小さいが荒い息遣いだ。
それはAのものであり、本能に対抗している音………
貴「…ふっ……っ……」
そう…Aは今、飢餓状態だ。
そんなAの鼻が反応するのは、Aの周りで眠っている人達の匂い。
その匂いを極力感じないようにAは片手で口元を押さえながら布団の中に潜り込んだ。
実はAは、随分前から飢餓状態に襲われていた。
最初にそう感じたのは、時透に斬りかかられた日の後日からだ。
それでもここまでではない。
その時は我慢できた。
だが、その日から今日までずっとじわじわと空腹感が増してきていたのだ。
その我慢していたものが今日、みんなとずっと行動をし、同じ部屋で眠っていたことによってそれが一気に膨れ上がった。
人の調理された食事もAは食べれるといったがあれでは空腹なぞしのげない、やはり人肉でないと………
貴「っ……」
人肉…そう考えた瞬間、Aは布団から抜け出し立ち上がった。
そしてみんなを避けて歩いて行き、障子を開けて外に出る。
このままでは長く持たない。耐えられないと感じ取ったから……とにかくあの場から離れたかった。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» 修正しました！鬼に生きる【壱】の所もコメント下さりありがとうございます、助かります！ (2020年10月6日 16時) (
レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 四十話ですが、起源ではなく機嫌だと思います (2020年10月6日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十九話の善逸の漢字が違います (2020年10月5日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - りおさん» 学校ですか��(ﾟДﾟ)大変ですね……続編の作成には少し時間がかかりますが、できれば一週間以内には作りたいと考えていますのでたまに見に来て下さればと思います(*´ー｀*) (2020年4月16日 10時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
りお - おお……!ついに続編３に行きますか!私は今日から学校なのでみれる時間が減ります……(^o^;)続編ふぁいとぉ(･ω･´)ノ (2020年4月16日 4時) (レス) id: 5a5f8160c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぃろ | 作成日時：2020年3月15日 13時
