二十五話 ページ26
貴「ふくふ…」
「取り敢えずやってみます」と言う意味を込めて口枷の隙間から精一杯息を漏らす。
あの小屋と同じ様に、無一郎の御殿以外で口枷を外すことが出来ないAにとってはこれが限界だったが、またまた後ろで聞こえた声からして伝わっただろう。
そっと割れ物を扱う様に木の幹に触れる。
Aは不死川にやられて無意識に使った血鬼術の使い方なんてものも知らないし、血鬼術の取り扱い説明書なんてものもないのだから手探りでしかなかったのだが……取り敢えず一番に思いついた方法を選んで実践してみた。
その方法はいたって簡単。
貴「(私を囲む様に…)」
Aはその木に手を当ててそう願う。
だが、こんな単純な事で木が動くわけ無いだろう。
そんな事ができるのであれば、鬼は無敵ではないか。
ほぼ全ての人々がそう言うだろう。Aだってそれを見るまではそう思っていた。
それでもこの世の中はそんなにいい様に作られていないのだからほんとうに困ったものだ。
なんとなく、腕に力が入ったと同時に目の前でばきばきと音を立てて動き始めたのだから驚愕だ。
貴「っ！？」
知っていても流石にAは驚いた。
実際に血鬼術を見た事ない人が見たのだから当然の反応と言えるだろう。
Aが驚いたと同時に成長を止めた木の枝は、自然に伸びてきたとは思えない様な形だった。
そんな不気味な枝を放心状態気味に見ていたAに二つ、どんっと何かがぶつかる。
見覚えのある感覚にAは慌てず手を広げれば、ちょうどよくそこに突っ込んできた二人を抱えられた。
蜜璃「Aちゃんやったわね！！」
禰豆子「ふくーっ！」
貴「…ふんふ。」
本当に嬉しそうに笑う二人にAはきちんと喋れないながらも精一杯の感謝の気持ちを伝えら為に二人を緩く抱きしめる。
最近慣れ始めてきた行動なので最近は驚く事は少なくなった。
冨岡「A。空腹は？」
貴「ふく。」
冨岡「そうか。」
いつのまにか現れた冨岡に特に驚く事なく首を振って答える。口数が少ないもの同士、少ない言葉で会話を成立させていく。
それが苦とは思わないし、逆に自分が無表情であっても感情を読み取ることにそこまで長けていないAには少し楽とも言えた。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» 修正しました！鬼に生きる【壱】の所もコメント下さりありがとうございます、助かります！ (2020年10月6日 16時) (
レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 四十話ですが、起源ではなく機嫌だと思います (2020年10月6日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十九話の善逸の漢字が違います (2020年10月5日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - りおさん» 学校ですか��(ﾟДﾟ)大変ですね……続編の作成には少し時間がかかりますが、できれば一週間以内には作りたいと考えていますのでたまに見に来て下さればと思います(*´ー｀*) (2020年4月16日 10時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
りお - おお……!ついに続編３に行きますか!私は今日から学校なのでみれる時間が減ります……(^o^;)続編ふぁいとぉ(･ω･´)ノ (2020年4月16日 4時) (レス) id: 5a5f8160c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぃろ | 作成日時：2020年3月15日 13時
