十話 ページ11
貴「う゛ぅ…ぐ……」
刀を脇腹に刺され、背後の壁に突き通されたAは必然的に座る事も、目の前にいる男に反撃する事すら出来ずにただ痛みに耐えた。
もし反抗出来たとしても、鬼を殺す事だけを考えたこの人に勝てる未来像がAには浮かばなかった。
あまりの痛さに額に汗がじんわりと浮き出てきて涙腺が緩む。
そんな中なのにもかかわらず、Aの頭の中は混乱していることはなく、逆に何時もよりも頭を素早く回転させられ、とても冷静さを保っていた。
貴「(そういえば…前にもこんな事があった。)」
他人事のように頭に浮かべられたその言葉に、脳は素直に記憶を探っていく。
それは、Aが人をやめた日……
貴「(あぁ、そうだ。お姉ちゃんにも同じところを刺されたんだ。)」
あの時はここまで痛くなかった筈だ。
息は乱れたが、こんなに苦しい苦痛はしなかった。
それもこれも初めて体験した死という恐怖感情の違いなのだろうか。
貴「い゛っ……」
そこまで考えて、突然の今まで以上に鋭い痛みに意識が現実に戻る。
続いて体が重力に従い、地面に勢いよく落ちた。
どうやら不死川が刀を抜いたようだ。
冨岡「おい不死川、今度は何をするつもりだ。」
不死川「言っても聞かねェお前らに、現実を見せてやるよォ…」
脇腹を庇って手を当てるAを上から見下ろして怪しげに笑った不死川にAは顔を変えないながらも疑問に思う。
だが、それが良いことでないのは明らかだった。
不死川「鬼の本当の姿って奴をよォ！！」
小さく目を見開いたAの顔に、髪に真っ赤な血がかかる。
Aの血ではない。
不死川が自分の刀で腕を斬って出した血だ。
突然と不死川の行動にAは驚きながらも冷静にその意味を解釈した。
貴「(この人は私を飢餓状態にして暴走させたいのか…でも大丈夫…前は耐えられた。
今度もきっと耐えられ………)」
そこまで考えたと頃で、Aの鼻に強烈な甘い匂いが掠めた。
その瞬間、ドクンッと身体中の血液が沸騰したように熱くなり、Aの理性を溶かし始める。
貴「はっ…ぅ、あ………」
不死川「お前らの大好きな希血だァ！さぁ…食らいつけェ！！」
その匂いは、他の血とは全く異なるものだった。
とても甘い香りがするのだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぃろ(プロフ) - 麗さん» 修正しました！鬼に生きる【壱】の所もコメント下さりありがとうございます、助かります！ (2020年10月6日 16時) (
レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 四十話ですが、起源ではなく機嫌だと思います (2020年10月6日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十九話の善逸の漢字が違います (2020年10月5日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - りおさん» 学校ですか��(ﾟДﾟ)大変ですね……続編の作成には少し時間がかかりますが、できれば一週間以内には作りたいと考えていますのでたまに見に来て下さればと思います(*´ー｀*) (2020年4月16日 10時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
りお - おお……!ついに続編３に行きますか!私は今日から学校なのでみれる時間が減ります……(^o^;)続編ふぁいとぉ(･ω･´)ノ (2020年4月16日 4時) (レス) id: 5a5f8160c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぃろ | 作成日時：2020年3月15日 13時
