四十八話 ページ49
生き物は一度その恐怖を知ると、以降はそれに関わらない様にするのが当然だ。
それはAも変わらない。
貴「(…手が震える……)」
脳が先ほどの事を考えて完全に拒否しているのだ。
逆に、先の様な気持ち悪い思いをしてすぐにまた食べれる人などそうそういないだろう。
手が、震えて進まない。
頭では口に含みたいと考えても、体が動かない。
出来る事なら、Aはここで箸を置いて今すぐに身を引きたい所だが、それはAの「人だった頃の様に戻りたい」というか強い意志によってぎりぎり引きとどめられていた。
そんな時、ふと彼のことが頭に浮かぶ。
女性にも勝るかの様な長く綺麗な髪に、整った顔立ちの人であり…また、Aに現実を突きつけた張本人。
時透 無一郎だ。
確か彼はAを…というよりも鬼に対して酷く冷徹な少年だったはずだ。
今はお館様という人の命によって嫌々Aについてきている状態だが、その彼はどうしているのだろうか。
なんとなくそんな事を考え、視線を彼のいる方向へと向けると……視線が交わった。
貴「!」
だが、それも一瞬の事ですぐに目を逸らされる。
それでも時透がこちらを見ていた事自体が驚きだったAは無意識にじっと見ていた様で……目をそらす気の無いAに、時透は小さくため息をついた後、口を開いた。
早くしてよ。
そう言った。
貴「!!」
いや…言ったは少し違うだろう。
ただ口をその様な形に動かしただけで、言葉には出していないのだから。
早くしてよ。とAには見えた。
それが「早く終わらせて」などの嫌味で言ったのかはわからない。
それでもその言葉がAの腕を動かした。
米を口に含み、ゆっくりと咀嚼した後喉に流し込む。
貴「…………」
蜜璃「Aちゃん?」
先ほどの様に、黙ったままのAに蜜璃がそう話しかける。
その問いにAは少し間を開けた後、ゆっくりと答えた。
貴「…食べれ、ました……!」
そう言って顔を上げたAの顔色は、青白くは無く、自分自身も驚いている様子だった。
そのAを見た瞬間。
当然その場が騒がしくなった。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時