十一話 ページ12
そろそろ隣にいる二人が騒ぎ出すかもしれないと思い名残惜しいが目を開いて夜空から目を離して二人を見てから地面に視線を落とす。
煉獄「どうかしたのか?」
貴「……ふんふ。」
しきりに地面を見るAに煉獄は声をかけるが今のAは何を言っているかわからない。
やがてAは一本の枝を見つけて拾い。
その場にしゃがみこむ。
どうしたのかと二人がAの手元を覗き込めば、地面に文字が書いてあった。
宇随「……稲葉…A?」
綺麗な文字で、それだけが書かれていた。
煉獄「これは君の名前か…?」
そう聞く煉獄にAはコクリと頷くと、牢屋へと続く道を先に歩いて行ってしまう。
二人から見てその表情はいつもとなんら変わりないが、目元が少しだけ和らいで見えたのは気のせいだろうか。
*
外から冷たい風が吹いてくるその牢屋の中で、Aは簡易的な布団の上に座りながらある二人の人物を待っていた。
いつのまにか煉獄と宇随と夜道を散歩する事が当たり前になってきていることを感じながらAは静かに夜になるのを待つ。
何もすることがないこの牢屋の中では、一日がとても退屈だ。
そうこうして待っていると目の前の扉が開かれる。
最初はあの二人だと思ったが、どうやら違うようだ。
貴「(あの人は……)」
口角を上げずに、口を開かずに躊躇なくAの前へとやってきたのはAを拘束した張本人でもある冨岡義勇だった。
だが彼がここはくる理由がわからない。
静かな冨岡が言葉を発するのを待っていると、目の前の男は懐から何かを取り出す。
そしてAの目の前へと持ってきて手を開いた。
貴「っ!…これ……は…?」
その手の中にはAにとってとても大切だった人のものである黄色い帯締め。
もう捨てられたとばかり思っていたものだった。
冨岡「大切な人のものなのだろう。」
綺麗な黄色の帯締めが檻越しにではなく、柵の間から手を伸ばされAの目の前へと出される。
鬼だから腕を持っていかれるかもだとか、そう言うことは考えなかったのか。
いや、考えているはずだろう。
それでも冨岡は一瞬も迷うことなくAのすぐ目の前に腕を突き出した。
差し出されたそれは良い黄色のシンプルなデザインをした帯締めだが、それは間違いなく姉が気に入っていた物だった。
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時