二十四話 ページ25
勉強会が始まって約一週間。
今日もAは煉獄から貰った読み物を読みながら教えてくれる誰がくるのを待っていた。
貴「………」
火を使うのは勿体無いと思いつけていないのだが、夜目の効くAにとっては月明かりだけで十分だ。
しばらく書物に没頭していると、策の向こうから木の扉が開く音がした。
いつもなら誰かしらが騒いで入ってくるのに今日は静かだ。
足音は殆ど聞こえず布の擦れる音だけが聞こえる。
どうしたのかとその方向へ振り向くと、そこには意外な人物が歩いてきていた。
貴「!……時透さん。」
時透「…………」
相変わらず何も喋らない彼は、ゆっくりとAのいる牢屋まで足を運び中に入る。
その瞬間。Aは少しだけ空腹感を覚えた。
時透は基本的にほぼ毎日くるが、一人でAの目の前に立ったことは一度もない。
彼自身も嫌だろうし、Aも足を切られた時の恐怖が残っているのでお互い自分から避けていたのだ。
そんな彼が何故…と思っていると、丁度入ってきた時透が月明かりに照らされた。
そこに見えるのは真っ赤な血の色。
貴「!…時透さん…その腕は?」
時透「……なんでもない。いいから一人でやってなよ。」
ただお館様とやらに言われたとうりAと一緒にいるためだけにきたのだろう。
時透は端っこの方へいって空気穴から空を見上げてた。
腕からチラリと見える傷は血が流れて今にも地面に落ちそうだった。
それを見たAは、バッと立ち上がり時透を見つめる。
貴「……ダメです。」
時透「は?」
あからさまに不機嫌そうに何を言っているんだという目でAを見た時透にAは怖気付きながらも、声を絞り出した。
貴「…傷を、放置してはいけま…せん。」
やっと出た声は少し震えていて、恐怖の色は消えていない。
それを知っているのか知らないのか、時透は「あんたには関係ない」という一言で弾いた。
冷や汗が背を伝う。それは空腹を我慢しているせいか、それとも時透に対しての恐怖か……はたまたどちらもなのか。
それでもAは諦めない。牢屋の端っこにある木箱を手に取りまた時透の方へと戻る。
木箱を開いたその中には包帯が入っていた。
Aが怪我をしていた時に予備として用意された物……だが、鬼専用というわけではない。
貴「……せめて、応急処置だけでもしてください。」
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むぃろ(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます!修正しました! (2020年10月6日 12時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 十話の所ですが、はが一つ多い所があります。 (2020年10月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» わかります!甘いもの好きなのに外行かなくて運動不足になりますし、カラオケに行く予定だったのにコロナのせいで行けなくなりました…早く夏になって死滅してくれれば嬉しいんですけどね(´;ω;`) (2020年3月3日 18時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 食べれましたね!私は外出できないので太りそうです( ;∀;)極度の甘党なので (2020年3月3日 16時) (レス) id: f69b55532e (このIDを非表示/違反報告)
むぃろ(プロフ) - さくらさん» うわ…それは大変ですね!ワーク終わらせたんですか!?完全に存在を忘れていました…(−_−;)明日から投稿ペース下がったらすみませんww (2020年2月29日 23時) (レス) id: 8e9e4a7270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぃろ | 作成日時:2020年2月1日 18時