第四話 シェーディさん ページ5
しばらく、リーダーの出て行った方を見つめていると、
シェ「えーっと……大丈夫？ 何もされてないか？」
シェーディさんに話しかけられ、はっと我に帰る。
『は、はい！ ……シェーディさんは？』
シェ「オレは大丈夫」
ニヤッと笑って、グッドサインをしながら言う。
私はほっと安心のため息をつく。そして、視点をアナアキ君にうつしかえる。
『アナアキ君……あの……』
ア「……」
しかし、アナアキ君は何も言わず、私の言葉を遮ってロビーから出て行ってしまった。
『……行っちゃった』
お礼、伝えたかったのにな。
しばらく無言の状態が続く。
それの沈黙を破るようにして、シェーディさんが私に問いかける。
シェ「……名前は？」
『A……です！』
シェ「そうか、いい名前だね……呼び捨てでいいか？」
『はい！』
シェ「もう知っているみたいだけれど……オレはシェーディ。シェーディチームのリーダーだ。呼び捨てで構わない」
テレビで見ていたイカが今、目の前にいる……改めてそう感じさせられる。しかも、相手は明らかに年上(身長差が凄すぎる)。その時の私には、シェーディさんを呼び捨てになんて出来なかった。
『シェー……シェ……ディさん、ディ……』
しばらく、呪文のようにシェーディさんの名前を呼び捨てに出来るか試して見る……が、無理のようだ。
『ぅぅ……ごめんなさい、無理かもです』
それを聞いてなぜか、シェーディさんは笑い出す。
シェ「アッハハハハハ！」
『え、えぇ……何か変ですか？』
腹を抱えて、笑い泣きした涙を拭いながら、シェーディさんは答える。
シェ「いや……可愛いな、と思って」
『可愛い……ですか？』
可愛い……どこが？ ……と、頭の中で理由を考えるが、出てこない。
シェ「無理ならいい。会ってばかりだからね、それが普通だ」
その言葉を言い終わると、少し真面目な顔をして、シェーディさんは言う。
シェ「君は……4Kスコープが使いたいんだったな」
『……やっぱり、初心者には扱いづらいですか？』
すると、シェーディさんは首を横にふる。
シェ「いや、その逆だ」
逆、とは？
そんな私の心の声を察知したかのように、その理由を話し出す。
シェ「初めてのブキは、誰でも扱いづらいものだよ。初心者の時から慣れておけば安心だ」
シェ「そこで提案なんだけど……」
シェ「オレが、Aの練習見てあげようか？」
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みー(プロフ) - 初コメ失礼します！とってもおもしろかったです！続き、楽しみにしてます！ (10月23日 15時) (
レス) @page3 id: 8b44dcbe0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るっぴ | 作成日時：2023年10月22日 14時
