番外編3 ページ14
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Aの機嫌を取るためにそっと寝室の外から覗いてみる。
そろっと近づくとパッと目が開いたのに布団をかぶって隠れちゃうA。
「A〜。オッパに顔見せてよ。許してくれるんだったらオッパなんでもするから。
この前Aがほしそうにしてたお洋服も買ってくるし、先週食べれなくて残念がってた駅前のケーキ屋さんのショートケーキも買ってくるし。他にも欲しいものがあったらなんでも買ってきてあげるから。
お願いだからAに触れちゃダメなんて悲しいこと言わないで。」
布団がもぞもぞと動いてAが顔を出す。
「本当になんでも？」
「うん。Aの願いだったら頑張って叶えるから。」
「じゃあオッパ、お家にいる時はスマホばっか見ないで。
せっかくオッパと一緒にいるのにオッパがスマホばっかりだったら寂しくなっちゃう。」
何この子、すごい可愛いんだけど？顔は真っ赤だし俺に構ってもらえなくて寂しいとかめっちゃ殺し文句だろ。
「それだけ？他に欲しいものとかない？」
「いらない。テヒョンオッパがいてくれればそれで。」
「じゃあオッパがAに触れちゃダメなのはなしね。」
コクっと頷くAを正面から抱きしめる。
首元に頭をぐりぐりと埋めたらAがくすぐったそうに身を捩る。
「長期休暇が明けたら中々ここに来れなくてAにもいっぱい寂しい思いさせちゃうと思うけど、どれだけ遠くに居ても、全然会えなくても、オッパはAが一番大好きだから。」
「うん。」
「ちょっとキュンてした？」
「テヒョンオッパそのセリフで今までの全部台無しです。」
「えー。」
名前と目があって自然と口角が上がる。
この先何十年もこうやってAと笑い合っていたい。おじいちゃんおばあちゃんになっても。
「まぁ、まだ先の話か。」
「ん？」
Aが不思議そうに顔を上げる。
「ううん。なんでもない。
もう一回寝る？」
「うん。」
布団をめくって一緒に横になる。Aの体温でちょっとあったまってる布団は二度寝にちょうどよくて深い眠りに抗うことなく落ちていく。
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終わり
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作者名：蘭子 | 作成日時：2022年1月8日 23時
