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「あのほんと、屋根のあるところに寝かせて貰えるだけでも充分ありがたいので…！」
2人は常にこうなのだろうか…
すごい勢いで会話が飛び交う。
「勝己あんた女の子ソファで寝かせる気？」
「………チッ…」
最終的に爆豪くんのお母さんが勝利したみたいで、結局爆豪くんの部屋を借りることになってしまった
それから寝るまで、爆豪くんが部屋を綺麗にしてくれている間に、彼のお母さんと少し話した。名前を教えてもらうと、光己さんというらしい。
彼女はすごく聞き上手で、話す気のなかったことさえ話してしまった。
昔から家族と呼べるような人はいなかったこと、今まで家で酷い扱いを受けてきたことなど、クラスメイトには知られたくないものも、光己さんになら聞かれてもいいかと思ってしまった。
そして来週から一人暮らしを始めることも伝えた。
それを聞くと光己さんは心底安心したように良かったねと言ってくれた。
出会って少ししか経ってないのに、こんなにも深く話を聞いてくれる人に初めて出会い、よく分からない、不思議な感じがした。
決して、嫌な心地ではなかった。
暫くして爆豪くんが戻ってくると部屋に案内してくれるようで、光己さんにお礼を言って彼に付いて行った。
爆豪くんの部屋はすごく綺麗に整頓されていて、普段から綺麗にしていることが伝わってきた。
「そういえば爆豪くん、パーカーもありがとう」
さっきお礼を言い忘れていたので後ろにいた彼に言った。
「……礼言うほどじゃねェよ」
「それに部屋まで貸してくれて、どこまでお礼いえばいいのか…ごめんね、ありがとう」
「…チッ、謝んじゃねェ。俺が勝手にやったことだ。勘違いしてんじゃねェよ」
………それだけ言って去っていった爆豪くんの言うことはやはりよく分からないが、やっぱり不思議な感覚に合う。
心が軽くなるような、不思議な感じ。
これは、何なんだろう。
その後お風呂も貸してもらい、爆豪くんの部屋を借りて眠りについた。
よく眠れたかといえば、爆豪くんの部屋だということが気になってそこまででもないが、安心して眠れたといえば、それに尽きる。
その代わりに爆豪くんはソファで寝てくれたので申し訳なく思う。
でもきっと謝ったらまた怒るだろうから寝る前にお礼だけ言っておいた。
早朝、まだ皆が寝静まっている頃、服を着替えて自分の家に帰ろうとすると、後ろから声がかかる。
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月4日 16時
