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「俺のじゃないってどういう……って貴女ずぶ濡れじゃない！！」
家の中から出てきた爆豪くんのお母さん...？は慌てて私にバスタオルを被せてくれた。
「すごく身体冷たい……とりあえず中入んな」
そう言って私を家の中に入れてくれた。
こういうとき、なんて言えばいいのか分からない。
「………失礼します…？」
「堅ェよ、お邪魔しますだろフツー」
爆豪くんが傘を広げて干し、戸締まりをしているうちにリビングに通されていた。
「お、お邪魔します……？」
人の家に入ったことなど無く、どう振る舞えばいいか分からない。
「うーん、どうしよっか。
服が濡れたままじゃ身体も冷えっぱなしだよね。取り敢えず風呂貸すから入んな！！
アタシの服で良けりゃ貸すけど、着る？」
そう言うやいなや爆豪くんのお母さんは私の返事を聞かないまま、どこかへ行ってしまった。
「お前人ん家来たことねェんか」
入れ替わりにリビングに入ってきた爆豪くんにそう聞かれた。
「………分かる？」
「顔で分かるわ」
「………あんまり人付き合いとかしてこなかったから」
改めて見ると爆豪くんと彼のお母さん、すごく似てるなぁ。
なんてことを思っていると、彼のお母さんが戻ってきた。
「んー、なんかあんまいいの無くてさ。
ズボンはアタシんだけど上は勝己のパーカーでいい？」
「良くねェわ勝手に決めんじゃねぇ！！」
「勝己うっさいあんたには聞いてないのよ。
ごめんね。勝己うるさいけど、お風呂湧いてるから勝手に入っちゃって！
下着は……お風呂入ってる間に乾燥機入れとくわね」
そう言った爆豪くんのお母さんにグイグイ押されて脱衣所に入れてもらった。
「……あ、ありがとうございます」
「いいよいいよ。そこドライヤーあるからね。
勝己あんたこの子入ってる間入んじゃないよ！！！」
「入んねェわクソが！！！」
リビングからそう叫ぶ声が聞こえてきた。
お風呂を終え、借りた服に着替えると、柔軟剤のいい香りがした。
ドライヤーも借りて髪も乾かす。
「あの、ありがとうございました」
脱衣所を出て爆豪くんのお母さんにそう声を掛けると、爆豪くんも部屋着姿でリビングに戻ってきていた。
「飲みもの作るから、そこ座って待ってな」
どうして、そこまでしてくれるのか分からない。
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月4日 16時
