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｢ペ神！あの子起きたん？｣
朝から賑やかに声を上げるその人は赤いニット帽を被り、黄色のオーバオールを着ていた。恐らく男性だろうが、可愛らしい方だと思っているとその黄色の瞳とバッチリ目が合った。
｢ハハ、起きとるやん！｣
嬉しそうに笑った彼はベッドに駆け寄り私の顔をまじまじと眺める。
｢......綺麗な目ぇやなぁ｣
そう呟いて蜂蜜の滲む瞳を細めた彼の笑顔に、少しだけ震えた。昨夜の朧気な記憶の中に同じ笑顔を思い出した。
｢昨日の......｣
そう言葉を発すると、目の前の彼はパッと明るい笑顔に切り替わった。
｢せやで！覚えててくれたん？｣
｢何となく、｣
｢俺シャオロン。お前の名前おせえてや｣
｢......Aと言います。その、助けて下さって、有難う御座いました｣
ベッドに座りながらも深々と頭を下げる。その動作でも身体は痛んだ。
私の言葉に頷いた彼はニコニコと笑って私の頬を撫ぜた。
｢......ほんま可愛ええ｣
低く、脳に響くシャオロンさんの声。笑っている彼の瞳は、何を思っているのか分からなかった。ただ深い沼のように、一度覗くといつまでも囚われてしまう様な錯覚に陥った。
｢Aちゃんやな。俺はしんぺい神ちゅうねん。しんぺいでもペ神でも好きに呼んでな｣
｢...しんぺいさん｣
｢あ、ペ神だけずるいやん。俺も呼んで？｣
子供のようにそうせがむ彼の名を呼ぶ。
｢......シャオロン、さん｣
その一言で満足気に笑った彼。先程の不思議な雰囲気は微塵もない。その様子に少し安堵し、改めて質問をする。
｢あの、此処はどこでしょうか｣
｢あぁ、此処は我々国の城の医務室やで。コイツ、こんなんでもこの国の幹部やし｣
しんぺいさんがそう言ってシャオロンさんに視線を向ける。そんなに偉い方だったのか。どこか聞き覚えのある名前だと思ったのは、恐らくそのせいだろう。
しかしそんな一国の城に庶民が紛れ込んで大丈夫なのだろうか。それに態々手当までしてくれて、生憎払える医療費など持ち合わせていない。
｢そうなんですね......あと、その、わたし、お金、持ってなくて...｣
そう口篭るとしんぺいさんは不思議そうに首を傾げた。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
