夢幻の目覚め ページ8
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｢......ん｣
閉じた瞼の奥に薄く光を感じ、目を開く。浮遊する意識と共に、嫌な記憶が甦るが、今は現状把握に努める。
周囲を見渡すと私を起こした光は窓から淡く差し込む朝日で、私は見覚えのない部屋のベッドで眠っていたようだ。
｢あれ、起きた？｣
少し離れたところから優しい声がかかる。その人物を視認するため身体を起こそうとお腹に力を入れた途端、体の節々に激痛が走り思わず顔を歪める。
｢い"っ......｣
｢無理しないで。全身に傷があるから寝たままでええよ｣
そう諭す声が近付いてくる。いくら寝てていいと言われても、流石に知らない人に寝たまま対応するのは失礼だろうと思い、無理矢理身体を起こそうとする。そうして初めて右腕が固定されているのに気がついた。折れたのだろうか。
｢......った｣
｢あーあー起きなくてええのに。大丈夫？｣
苦痛に耐えながらゆっくり身体を起こしていると、パタパタと駆け寄ってくれた医者らしき人は背中に手を添え、身体を起こすのを手伝ってくれる。
｢ご迷惑をおかけしてすみません。助けてくれて有難う御座います｣
昨夜から傷の処置をしてくれたであろう医者にそう告げる。
｢起きて第一声がそれなんや｣
少し面白そうに喉を鳴らした彼は、顔に神と書かれた雑面を付けていた。
｢起きたばっかりで悪いけど、これ飲んで｣
そう言って差し出されたのはコップ一杯の水と一つの錠剤。左手で錠剤を受け取り、口に含む。右腕が使えないのでもう一度左手を伸ばそうとすると、その前に口元にコップが運ばれ、押し付けられた。
｢...っ｣
どんどんコップを傾けてくるので慌てて口を開けたが、捉えきれない水は口の端から垂れ落ちる。多すぎる水に吐き出しそうになるが、何とか錠剤と共に飲み込む。
｢あはは、駄目じゃん。零しちゃ｣
愉快そうに笑った彼はそのまま私の口元を拭った。その表情は雑面で隠されていて読むことが出来ない。
｢......今のって｣
｢あぁ、アフピルね。アフターピル。中はちゃんと掻き出したから安心して｣
｢......そうですか。有難う御座います｣
ここは何処なのだろう。それを尋ねようとしたとき、部屋の扉が音を立てて開いた。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
