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｢.........わざわざ、お二人の時間を使わせてしまって、申し訳ありません、｣
｢......ん？急にどしたん？｣
｢い、いえ。他意はありませんが...｣
｢......自分だけ浮かれてて申し訳ないーって思ったんちゃいます？｣
ふと視線を私に寄越したショッピさんは揶揄う様に笑った。何故考えていることが分かったのだろう、思わず口を噤んでいると当たりやな、とまた笑われた。
｢謙虚やなぁ。Aちゃんの為のお出掛けやのに｣
少しだけ呆れたように鬱さんが言った。
｢何も気にせんと楽しんどけばええんやで｣
少し俯いてしまって垂れていた横髪を鬱さんが耳にかけてくれる。優しさなのか何なのか分からない彼の言葉に、素直に頷けなかった。
｢...あの、そういえば服のお代って......｣
ふと、頭に過ぎった疑問。当然のように街に向かっていたが、服を買えるお金など持っていない。
｢あぁ、グルちゃんからぎょうさん貰っとるで。好きなだけ買うたるわ｣
安心させるように頭をポンポンとしてくれる鬱さん。彼の言葉には驚いたが、今は有難く受け入れることにした。
暫く馬車に揺られていると、窓越しにすれ違う馬車や行き交う人々が見えてきた。聞こえる蹄の音も増え、決して賑やかではないが人の話し声も時折耳に入ってくる。
着いたな、とショッピさんの声が聞こえたと思うと馬車が止まり、馬の
ショッピさんが先に降りて階段を掛けてくれる。鬱さんも私の手を取って紳士らしくエスコートしてくれ、無事に馬車から降りて街に足を下ろした。
｢っふ、傍から見たらメイドがエスコートされてるみたいでおもろいっすね｣
｢こんな可愛いメイドやったらいくらでもエスコートするわ｣
.......確かに鬱さんやショッピさんの立場からするとあまり国民に見られては良くない光景なのではないだろうか。そんなことを思ったが彼の気遣いを無下にする訳にもいかないので私の腰に腕を回し、歩き出した鬱さんに身を任せた。
｢じゃ、初めての街巡りたのしもーな｣
にこ、と人に好かれそうな笑みを浮かべる鬱さんと、再び気怠げな表情に戻っているショッピさん。少し緊張してしまうが、私が自分の足で街に出られたことが今は嬉しかった。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
