穏やかに手を引かれて ページ47
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医務室に戻るとしんぺいさんにここにいるのは今日までね、と言われその日はそこで夜を過ごした。
翌朝、隣接した自室から医務室に顔を出した彼は既に目が覚めた私を見るとふわ、と笑う。
｢おはようAちゃん｣
｢おはよう、ございます｣
｢じゃ、今日は早めにガーゼと包帯替えちゃうね｣
そう言ったしんぺいさんはいつものように手際良く処置をしてくれる。
｢今日街行くんやろ？楽しんでな｣
｢...はい、楽しみです｣
そう言うとしんぺいさんは優しく笑って頭を撫でてくれる。街に買い物に行くことも、誰かに送り出してもらうことも初めてだ。昨日のトントンさんの言葉も頭を過ぎり、お世話になっている身で、申し訳なく思うがそれでも少なからず好奇心が湧いた。
｢今日帰ったらもうAちゃんが医務室帰ってこぉへんの寂しいわぁ｣
そう言われて気づく。もう朝起きてしんぺいさんが声を掛けてくれることは無い、そう思うと少し寂しくなった。
｢何日も、お世話して下さって有難うございました｣
｢あはは、まだ完治してへんしこれからも世話させてな｣
そう言ってくれたしんぺいさんに頷く。ちょうど包帯も替え終わった頃、メイドさんが朝食を運んでくれた。
それを食べ終え、暫くすると鬱さんが医務室に顔を覗かせる。その後ろにはショッピさんもいた。
｢やっほーAちゃん街行こか｣
ヘラ、と手を振って笑う鬱さんの元に向かう。
｢今日はよろしく、お願いします｣
｢おん、取り敢えずその服で街行く訳にはいかんからメイドの服借りてきたで♡｣
そう言ってパッとメイド服を広げた鬱さん。だがその服はこのお城のメイドさんが来ているものではなく明らかに丈が短くフリルも増えている気がする。
｢ぇ.....｣
思わず声が漏れた。鬱さんはニコニコと目を細めて私を見ている。
｢あ、の......これ...｣
｢うん？着替えてき？｣
｢ぇ...｣
メイド服を押し付けてくる鬱さんに戸惑っているとショッピさんが煙草を吹かして溜め息をついた。
｢はー、やっぱAさんはこれ拒むって言ったやないですか｣
｢えぇ、しょっぴくんはAちゃんがこれ着とるとこ見たないん？｣
｢いや勿論見たいっすよ。けどそれは俺の前だけでええんで｣
｢あぁお前はそういうタイプ...やったな......｣
じゃ、メイド室連れてくんで、と言って私の手を引くショッピさん。後ろからしんぺいさんがいってらっしゃい、と言ってくれたのが嬉しかった。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
