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｢すごい....｣
｢この部屋は自由に使ってもろてええよ。また明日、幹部の誰か付き添いで城下りて街に服とか買いに行ってもらうんで｣
部屋に見蕩れていると後ろからそう声がかかる。そういえばここに来てからずっと患者服を借りていた。
｢分かりました、有難うございます｣
トントンさんの冷たい声に少し萎縮しながらも、その言葉に少し驚いた。家から殆ど出たことがなく、ましてお店の立ち並ぶ街など行ったことがなかった私にはその実感が湧かなかった。
暫く部屋を見ていると背後から冷たい視線が突き刺さる。ちら、と後ろを見ると扉から少し離れた所に立つトントンさんがじっと私を見下ろしている。
｢......何か、気に障ることを致しましたか...？｣
｢.........いや｣
そう聞くと少し考えるような仕草をした後、再び口を開く。
｢......正直な話、今の時代君みたいな不幸な子はぎょうさんおるで。そういう子供を保護するんは大抵修道院の役目やし、彼奴らの態度が当たり前やと思わん方が身のためやで｣
｢......はい、重々承知しています｣
｢わざわざ城に置いとるんも彼奴らの気まぐれや。精々嫌われんように頑張りや｣
まぁ俺はどっちでもええけど、と呟いたトントンさんはそのまま去ってしまった。
一人部屋に残されてしまった私は誰もいない扉の方を向いたまま立ち尽くしてしまう。
彼の言うことは至極尤もで、優しくしてくれるシャオロンさんやしんぺいさんよりもずっと分かりやすかった。理由も分からず好かれるより嫌われた方がやりやすい。今までずっとそうだったから。
そう思う反面、優しくしてくれる彼らに嫌われたくないと思う気持ちもずっと強くて、もやもやした。
此処に置いてもらう代償に、何か私に出来ることはないかと思考をめぐらすが城の雑用程度しか思いつくことがない。
とりあえず、今日のところは医務室に戻ってしんぺいさんに今後の話を聞こう、そう思って案内された私の部屋を後にした。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
